食材のおくりものについて思うこと(毎週木曜の伊豆大島デーについて)
こんにちは。
このブログは『あなたの"ふつう"をあつらえる』未来食堂が開店するまでと、その後の日記です。
今日は未来食堂で毎週木曜に行っている『伊豆大島デー』についてお話しようと思います。
どうして伊豆大島?
お客様からもよく聞かれるのですが、東京愛らんどの方が、伊豆大島の野菜を毎週送ってくださっているためです。未来食堂の取材記事を見た東京愛らんどの方が、未来食堂を面白がってくれ、島のPRとして生産物を送ってくださったのがキッカケでした。
未来食堂について知ったのは去年、ネットの記事が拡散されているなか、SNSで知りました。ユニークなお店だなと思って、食後、ほかにお客様が誰もいなくなったときに、私たちがいまどんな活動をしているのか、小林せかいさんとお話をさせて頂き、島おこし!おもしろそう、やってみたい。とご賛同頂きましたので1月~2月水曜日は伊豆大島椿まつりの時期にあわせて、島の伝統衣装を着てまかないをやらせていただきました。
伊豆大島の農産物販売所「ぶらっとハウス」から毎週水曜日に島野菜を差し入れして、みなさまに、東京都なのに(沖縄やハワイなんかよりもずーと認知度の低い)伊豆諸島について、「食」を通じて知ってもらいたい、興味をもってもらいたいという気持ちでコラボすることになりました。
大島については2月までの予定でしたが、お客様からの感想ノートに現地の農家さんが感銘を受け、3月以降も継続することになり、毎週木曜日に島野菜を使った定食を出し続けています。
東京都島しょ振興公社の広報活動チームの方のメッセージです。有難い限りです。
送られてくる野菜を使った副菜
送られてくる野菜は毎回異なります。
こんな風に島の野菜が毎週届き、それを使って小鉢を作っています。
何が送られてきてどんな風に料理したか、お便りを書いてカウンターに貼っています。
忙しい朝の時間に、調理をしてお便りを書いてコピーして切り赤線引いてカウンターに貼り付けるのは正直楽では無いのですが、ご厚意に応えるためにはこれくらいは当然かなと思っています。
いつも心がけているのはどうすれば頂いた野菜が映えるだろうかということ。例えば『お味噌汁の具として色んな野菜と混ぜ込みました』というのと『頂いた絹さやの緑や艶を活かして絹さやのおかか和えを作りました』というのでは、圧倒的に後者のほうが丁寧に食材と向き合っています。
ただ漫然と作るだけではなく、素材の形、色、味、旬と向い合って一番いい形を探ります。何が届くか分からないけれど良い物を作らないといけないプレッシャーを感じつつ、日常の業務に加えてこれらをこなします。
期間が5末まで延長
元々は先月末(2016年2末)までの予定だったのですが、愛らんど様や島の生産者様のご意向もあり5月末まで、旬の島野菜が送られることになりました。「未来食堂は丁寧に料理してくれるから」とのコメントを頂いた時は、本当に料理人冥利につき、『伝わってくれてよかった』と心から安堵しました。
※諸事情により変わるかもしれません。今のところ5末です。
『料理』と未来食堂
「涙が出そうになるほど嬉しかった」と言えば、大げさだと感じられるかもしれません。
それは未来食堂の背景によります。
未来食堂は、そのシステム(”あつらえ”や”まかない”)や私の経歴(数学科→ITエンジニア→定食屋)ばかりに焦点が当たり、『料理』についての思いが置いてけぼりになっている感じがあります。
これは、美味しさを定義しない未来食堂ならではの立ち位置ゆえもあるのですが、さりとて頑張っているものに対しての反応がないというのは、耐えてはいるけどやっぱりしんどいなと思うこともあります。
未来食堂は”あつらえ”を通してお客様の美味しさを作ることに価値がある。「○○が美味しい」「○○を☓☓しているから美味しい」などとプレゼンすることは店側の美味しさを押し付ける従来の飲食店の在り方と変わらない。飲食店にとって美味しさをアピールできないことはある意味致命的であるが、来てくださったお客様自身に評価していただくことをゴールとし、未来食堂側からは一切広報しない。耐えること。
取材を依頼されたメディア様へ - Google ドキュメント
『システムは面白いけど味はどうなんだろ?』みたいなコメントを見るたびに、『頑張っているよ!』と言い返したくなるのですがそれはぐっと我慢というか。
そんな中で「丁寧に料理してくれてありがとう」という言葉は本当に嬉しかった。分かってくれて良かったと思いました。
予定よりも長期間、野菜を送り続けてくれるのですから信用もされているのだと思います。
これからもより真摯に、送られてくる食材と向かい合おうと思います。
料理を「食材」✕「仕事」に因数分解して、「食材」によるアピールはしないと決めている(※1)ため、伊豆大島からの野菜が食べられるから来て下さいとはあまり大きく言えませんが、丁寧に試行錯誤して仕事をしているので、それを楽しみに来てくだされば嬉しいです。
ちなみに3末までは八丈島の特産品(島レモンジャム・ジャージ牛乳)を使ったデザートをお出ししており、こちらも戴き物で、有難い限りです。
※1:どんな食材でも美味しく料理できることが料理人の本質だとして、食材をアピールする昨今の在り方は料理人を小売り人に変質させていると思うので。
色んな方が加わって未来食堂が良くなっていくことは嬉しいなと思います。
ご覧いただきありがとうございました。いつか、お会いしましょう。
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2016年2月度月次報告(速報)
こんにちは。
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2月度の月次報告(速報)をお伝えします。
実績 2015年度 2015年9月 2015年10月 2015年11月 2015年12月 2016年1月 2016年2月
売上高 429,530 1,001,400 951,350 1,195,050 1,210,000 1,173,100
売上原価 154,262 252,448 259,938 293,070 266,533 285,479
売上総利益 275,268 748,952 691,412 901,980 943,467 887,628
サマリー
2016年2月実績は売上高・売上総利益ともに計画を超過する好調を維持しました。引き続き夜の貸切が高水準で推移しており、1日あたり売上高は過去最高に近い水準を維持しています。店主急病による臨時休業の際にはご迷惑をおかけいたしました。当月は臨時休業に伴う一部ロスや高原価メニューの増加にともない1月と比較して売上高原価率は24%と増加しました。
なお、決算報告についてのディスクレーマーは下記も参照ください。
決算報告区分(速報/確定)およびディスクレーマー - 未来食堂日記(飲食店開業日記)
ご覧いただきありがとうございました。いつか、お会いしましょう。
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PR配信サービスによるPR配信と、自ブログによるPR配信の違い
こんにちは。
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今日は、新しい取り組み『サロン18禁』についての考えを書き留めようと思います。
※すみません、そこを書く間にまず書いていた”PRについて”が長くなってしまったので、今回初めての試みである『プレスリリース配信サービスを使ったPR配信』について感じたことを書きました。
『サロン18禁』開催
サロン18禁は18歳未満のための会員制サロンです。既存の固定観念から自由になり、ゆったりと上質な時間を過ごせるサロン。月一で開催いたします。
サロン18禁 - 未来食堂
3月8日付でPR TIMES様からプレスリリースを配信いたしました。
プレスリリース配信サービス(PR TIMES)と未来食堂
PR TIMESさんから以前「未来食堂のストリートビューを撮ってプレスリリースのサンプルとして使わせてもらえませんか」という相談がきて、それにのった次第です。PR内容は相談時には『サロン18禁』ではなく別の事だったのですが、配信2週間前に『サロン18禁』を思いついたので、面白くまた目を引くということもあり、こちらの内容で配信いたしました。
個人的には、思いついたらすぐに実行したり周りに言いふらす人間なので、今回のように◯月◯日に配信するからそれまでオフレコ…というのは焦れったいような気もしましたが、Googleストリートビューを撮ってくれたり文言を考えてくれたりと色々便を図ってくれているのでグッと我慢しました。
プレスリリース配信サービスを使う意味
正直に言ってこのブログ(未来食堂日記)に書いても、かなりの範囲で伝播されるので、あまり変わりありませんでした。
今回のように別インフラに頼んで情報を配信してもらうのは、作品の作り手(私)の思いがストレートに伝わる形ではないので、うーむ、未来食堂のように思いを伝えることが上手にできているのであればプレスリリース配信を通す必要はないのかなと思いました。
たとえば未来食堂が始めた『ただめし』。これはブログとFBでの告知だけですが、記事自体が約5700いいね!を記録しました。
対して『サロン18禁』は1日経過時点で800弱いいね!です。
もちろん内容自体が異なるので比較は出来ませんが、かならずしも大きなインフラを使うから伝播される訳ではないのだなと思いました。自分の広報スキル不足というよりも、能力とインフラのアンフィットだと思っています。私の能力は人を感動させる文章を書けることなので、他者を介在するとその影響力は半減してしまうのだと思います。人づてに告白してもそりゃうまくいかないわな、という感じです。
それが分かっていて、でも今回PR TIMESさんにお願いしたのは理由がありました。
それは、『サロン18禁』がもつ特異性です。
『サロン18禁』とは
『サロン18禁』は未来食堂が月に一度開催する、18歳未満のみが入場できる会員制サロンです。
18歳以上の方は「一名以上の正会員(18歳未満)の紹介を必須とする」など入場に制限がかかっており、18歳未満の正会員が自分たちで方針を決め創り上げていく、彼ら独自の空間となります。
飲食店の常識を覆し続ける 未来食堂 会員制サロン『サロン18禁』をオープン|未来食堂のプレスリリース
(この説明自体すごーくわかりやすいんだけれど”思い”は伝わらない良い見本かなと思います)
サロン18禁は18歳未満のための会員制サロンです。既存の固定観念から自由になり、ゆったりと上質な時間を過ごせるサロン。月一で開催いたします。
(こちらは、このブログの一番上に書いた私の説明文。何も分かりやすくないけど”何か”は伝わる文章だと思います)
と、ここまで書いて時間切れになってしまいました。
内容的にもサロン18禁そのものについては別記事に分け、見やすいようにしたほうが良いと思うので、今回はここまでにしようと思います。
申し訳ありません。
PRプラットホーム(PR Table)と未来食堂
ちなみに今回の『サロン18禁』は、PR Tableさんとまた一緒に記事を作る事が決まっています。
https://www.pr-table.com/miraishokudo/stories/24
PR TableさんはPR会社という立ち位置をとらず、こちらの思いをダイレクトに伝えられるプラットホームとしてあくまで私の思いを代筆するだけ、という立ち位置をとってくださるので、上記の記事も、思いが伝わる良い記事になりました。PR Tableさんの記事がバズり(3.5万いいね)、今の未来食堂があるわけですがその辺りは過去記事で。。
以前PR Tableさんが「自分たちはPR会社とは違う」と言っていたのを何となく聞いていましたが、実際に他のPR会社さんと付き合うことによって、なるほど色があるのだなと思いました。
今回の『サロン18禁』についても良い記事を作る(それは伝播スコアという意味ではなく思いをどれだけまっすぐ伝えられるかという事)、ただそれだけを念頭に置いて、PR Tableさんと記事を作りたいと思っています。
新しい試み
PR TIMESさんによる良かったことが無いわけではもちろんありません。
今回PR TIMESさんに期待したのは伝播される量ではなく範囲が広がることでした。これについては期待通りだったと思っています。
『サロン18禁』は今までの未来食堂のコンテキストから外れた新しい試みです。そのため、今まで届いている範囲とは全く別方向へも、この情報を届ける必要がありました。
ヒントはこの絵です。
ってすみません。時間切れなので行ってきます。今日は日本テレビさんの撮影です。苦手な方はご遠慮ください、申し訳ありません。
ご覧いただきありがとうございました。いつか、お会いしましょう。
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2016年1月度月次報告(速報)
こんにちは。
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1月度の月次報告(速報)をお伝えします。
実績 2015年度 2015年9月 2015年10月 2015年11月 2015年12月 2016年1月
売上高 429,530 1,001,400 951,350 1,195,050 1,210,000
売上原価 154,262 252,448 259,938 293,070 266,533
売上総利益 275,268 748,952 691,412 901,980 943,467
サマリー
2016年1月実績は売上高・売上総利益ともに計画を超過する好調を維持しました。当月は新年会等のイベント需要から貸切の回数が増えたことによってミックスの改善による寄与が大きく影響いたしました。貸切による空間使用料が売上高に含まれこれにより原価率も低水準を記録しました。貸切による影響を調整した売上および原価率はおよそ計画並と推定されております。来月以降も同様の売上を想定しております。
なお、決算報告についてのディスクレーマーは下記も参照ください。
決算報告区分(速報/確定)およびディスクレーマー - 未来食堂日記(飲食店開業日記)
ご覧いただきありがとうございました。いつか、お会いしましょう。
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「ただめし」開始1ヶ月の反響、新ルールの追加について
こんにちは。
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先月10日に、新システム「ただめし」を開始するとお話しました。
気がついてみるとシステム運用から1ヶ月が経ちました。今日は、この一ヶ月の動きと自分の気づきを書き留めておこうと思います。
ただめしとは
ただめし
入り口壁に、ただめし券を貼っています。誰でも使えます。困ったときは使って下さい。未来食堂には、50分のお手伝いで一食もらえる”まかない”制度があります。ただめし券は、”まかない”をした誰かが、自分が食べる代わりに置いていった一食です。
その名の通り、ただめしです。誰でも使えます。壁に貼っているポストカードを誰かが剥がして使うイメージです。
反響
システム告知記事は約5700シェアと大きな反響を頂きました。
ちなみにこちらが未来食堂facebookの「いいね」の動き。
システム告知で186いいねが付き、これは先週放送されたワールド・ビジネス・サテライトによる反響(81いいね)を倍以上上回っています。
マスメディア(テレビ)に出ると大きな反響がある、ましてやそれが有名番組なら間違いない、という仮説は今のところまだわかりません。ちなみに12月2日時点の1,316いいねは下記事業構想さんの記事がバズったときのもの。
元クックパッドのエンジニアが起業 飲食店の常識を覆す「未来食堂」 | 月刊「事業構想」2016年1月号
ちなみに、左の小さな山(91いいね、10月24日)が最初のPR Tableさんのバズ。
元・エンジニアが営む“定食屋のスタートアップ”が、飲食業界の定説を覆す!?|PR Table
(このあたりの分析に興味がある人は全データ渡すので自由に解析してください。。面白いデータは溜まってきてると思うのですが悲しいかなスキルがありません)
話が逸れました。
自分自身がメディアや分析の素人なので何で反響を測ればいいのかわからないのですが、お店に来てくださる方のなかに「ただめしっていいですねー」と話してくれる人も結構いらっしゃり、ある程度伝播されている感じがします。また、テレビでも面白がって「ただめし」を紹介してくださっていることも大きいのかもしれません。
使っている人はいるのか
よく聞かれるのがこれ。確かに日本人の気質的に、タダ飯を食らうというのは気が引けそうです。実際ただめし券を使っている人がいるのか皆さん気にされています。
答えを言うと、思っている以上に使われています。
押し付けがましくないデザインを追求
例えばただめし券を使った人に「うら面に自由にメッセージを書いてください」と書いてジーっとその手元を監視していれば、まるでそれは感謝の言葉を書けと迫っているように感じませんか。
私はそう感じるし、それは窮屈でしかなく、お仕着せの感謝に意味はないので、できるだけフラットな可能性が残りうるよう、券に書く必須項目は日付だけにし、極力その心情を吐露しなくても済むよう工夫しています。具体的には、
券のおもて面(まかないさんが書くべきこと)
「まかないをした日付、時間枠」が必須項目。例えば「2月1日朝枠」など。名前やメッセージは任意。『可愛い女の子だけ使ってください』と書いて電話番号を書いてもいいのです。
券のうら面(ただめしを食べた人が書くべきこと)
「使った日付」が必須項目。例えば「2月3日」など。名前やメッセージは任意。
使われた券はアルバムに入れて展示しているので、だれでもその軌跡を見ることができます。
「一人でご来店時のみ使用可」ルールを追加
このルールは当初念頭にありませんでした。ただ、テレビで紹介された次の日に、若い二人組が来て、1枚づつ剥がしてただめしを食べていて、これは想定外だなと思い追加したルールです。
本当に困っている人、”救われるべき価値のある人”のみが救われるべきだとは、私は思っていません。だからこそ道徳面や情緒面になるべく訴求しないフラットなシステムデザインを考えています。
ただし、やるんだったら一人でやれと思うのです。
個人的な意見かもしれませんが、『ちょっとした悪乗り』をしたいんだったら、その覚悟を決めてこいと言いたい。
「本当に困っている人が使っているか」は未知数
前述したとおり、誰でも使え、その使用意図を聞くようなこともしないので、誰が本当に困っているのかはわかりません。例えば券の裏に”お財布を落として一週間過ごさないといけなかったので本当に助かりました”と書いてあったとします。これは仮定の話ですが、こういう文言が書いてあると、アルバムでこの券を見た人から「いやーこういうのいいですねーこういう使われ方いいですねー」という感想をいただくことが多々有ります。
それを聞くと、「みんなお人好しだな」と思います。だって嘘かもしれないんですよ。
何書いてもいいんだし、腹を満たしてくれたお礼にちょこっとお涙頂戴な一文でも載せておくか、と考えた人かもしれないんですよ。
もし嘘だとなったら怒る人もいるかもしれません。でも自分は嘘だともほんとだとも思っていないので、ただめし券に書いてるすべてのメッセージに意味はありません。
真偽や善悪や清濁を超えたところに一つの物語があって、自分はどこまでブレずに逃げずにそれを読みきれるかなと思います。
ご覧いただきありがとうございました。いつか、お会いしましょう。
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(まかないをしたい方は、未来食堂サイト内まかないページを御覧ください)
(千代田区一ツ橋2−6−2 日本教育会館様B1。9月13日OPEN。神保町駅徒歩3分)
メディア露出が”しんどい”理由(小さな定食屋が多くのメディアに出て思うこと)
こんにちは。
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未来食堂は開店から2ヶ月経たない内に、多数のメディアに取り上げられるようになりました。
『多くのメディアが取材に来るとどうなるのか』については以前記事で書きましたが、時を経た今、『多くのメディアに公開されるとどうなるのか』を書き留めようと思います。
前記事はこちら。
なお、しんどいとはタイトルに書きましたが、これは自分の経験の浅さ故出てきてる反応であり、取り組んでいただいていた各社様に対する心情ではありません。誤解のありませんようどうぞよろしくお願いします。伝播して頂ける事は非常に有難く、ただその有り難さの中にある自分の感情を記録しておきたくこの記事を書いています。何かの参考になれば幸いです。
未来食堂の掲載メディアについては以下を参照下さい。
掲載メディア一覧(未来食堂)
多くのメディア
何を持って”多く”なのかは判断つきかねるところはありますが、現時点(1月下旬、開店5ヶ月目)でテレビ(映像)4、新聞3、雑誌4、Web9、露出しており、おそらくこれは多数の部類に入ると思うので”多くのメディア”としました。
これによる気付きは以下の通りです。
媒体による反響の違い
取り上げられるメディアによって反響の内容が変わります。例えば、
■Web
Facebookのシェア数などで反響がリアルタイムで分かる。大反響(3万シェア以上)となった場合、その反響の2日後から爆発的に来客が増える。主に30〜40代の男性が多い。3000シェア程度では大きな来客増はない。
■新聞
掲載一ヶ月後から徐々に『新聞で見た』お客様が来店される。電話問い合わせが増える。50〜70代の来客が数組増える。
■テレビ
目立った動きはない。放送直後に電話問い合わせが増える。コンセプトを知らないで来るお客様が数組増える。
■雑誌
目立った動きはない。
テレビに出たから混むとは限らない
テレ東さん、テレ朝さん、BS朝日さんと放映頂きましたが、『放映翌日からお店が大混雑』ということはなく、テレビに出ると一気に反響があるとよく聞いていたので、意外に思いました。
ただこれは、放映が平日夕方だったり数分間だったりするせいもあります。未来食堂がメインターゲットとする層(会社員)が見る時間帯ではなく、従って影響も少なかったのでしょう。これについては来週以降にビジネス専門の枠内で放映される予定があり、その際の来店状況から影響を判断したいです。
テレビや新聞を見て来店されるお客様
ただ、テレビや新聞に出た後は、ちょっと表現は良くないのですが、あんまり未来食堂を知らず、でも『有名なあの未来食堂に来ているんだ』という感じで来られる方が多く、未来食堂そのものというよりも『テレビに映っていたあのお店だから行ってみよう』という雰囲気が感じられ、こちらとしては対応に困ることもありました。
もちろん、例えば日々のお客様の中には『未来食堂はランチが美味しくお得なお店』としか認識されていない方がたくさんいらっしゃいます。そういった素朴な評価は嬉しく有難く本質的なものです。が、それとは異なり『有名だから来た。でここは何の店なの?』と問われても、ただの定食屋ですとしか答えようがないので困ったなと思いました。
テレビは一日がかり
映るのは5分でもほぼ一日撮影があります。新聞も何時間も取材するところが多く、大変だなと思いました。
特に映像は「この絵がほしい」に応える必要があるため動きのやり直しをすることもあり(例えばお盆のサーブや入店)独特だなと思いました。
”メディアへのお願い”を書いてよかった
連続して取材依頼を受けていると、XX社にはお願いした内容を○○社に伝え忘れるなど内容にばらつきが出てしまいました。そのため、未来食堂の理念や取材時のお願いをドキュメント化し公開しました。
取材を依頼されたメディア様へ - Google ドキュメント
結果、こちらの理念も格段によく伝わるようになりました。例えばテレ東さん『チャージ730!』では、短い尺の中に、私がちんたら喋っている理念をノーカットで入れて頂き、テレビのともすれば乱雑とも言える編集具合を感じていたので、本当に感動しました。結果、終わり方が尻切れトンボな感じになったのですが、それも厭わず私の発言を入れてくれたのは、ご厚意によるとともに、前もって私自身が大切にしていることを伝えられたからだと思います。
「テレビには気をつけろ」に思ったこと
「テレビは編集でどうとでも捻じ曲げられるから気をつけたほうがいい」と多くの人にアドバイスされました。実際テレビだけは他媒体と違い、編集後の内容を確認することが出来ません。一日撮って放映は5分弱もザラなので、どう編集されているのか不安もあります。でもきちんと伝えたい事(未来食堂の場合は『誰もが受け入れられ、誰もがふさわしい場所』を作ること)を共有することで、エッセンスは多少なりとも残してくれるはずだとある程度、性善的に考えています。
今時点ではニュース性もあり、”まずは撮って放映する”という感じを受けますが、色んな局の方からある程度の尺で記録したいとも言われているのでそちらに期待をかけ、短い尺ではある程度理念が削ぎ落とされても仕方ないのかなとも思っています。
「最近なんかで見て来ました」という人が増える
メディア露出初期の頃は「○○の記事を見て来ました」という人が多かったのですが最近は「何で知ったんだったっけなー。なんか最近未来食堂という名前をよく目にするんです」という人が増えてきました。そのため、初期の頃露出していたWeb以外のメディア媒体の反響が追いづらくもなりました。
メディア露出の相乗効果はあまりない
複数の取材記事が同日に公開されることが多々ありました。しかし相乗効果はほとんどありません。似たような内容でも有名なサイトに掲載されればそちらのほうがシェア数が格段に伸びていました。新聞✕Web記事など異種メディアによる相乗効果も特に感じませんでした。
インターネット→紙→テレビの順で波が来る
インターネットで何回も取り上げられた後、立て続けに新聞掲載の波があり、その少し後にテレビ撮影の波が来ました。
メディアにも情報のタイムラグがあるのだなと感じました。1月末の今時点はテレビの波が来ている感じです。
Webは何度も露出したため、最近の取材依頼は「これから書いても後発なので×××します」のような形が増えています。
波が引いた後の状態は未知数
メディア露出が通り過ぎると、お店は衰退に向かっていくというケースをよく耳にします。一見さんが詰めかけた結果、常連さんが離れてしまうためです。未来食堂ではなるべくこの危機を避けられるよう精進していますが、これについてはまだ未知数です。
メディア露出が”しんどい”理由は『未知との遭遇』だから
以前取材ラッシュさなかに、しんどい気もすると日記を書きました。
自分の経歴を何度も話していると、それ自体でエネルギーを使うということもあってか、『自分』が擦り切れてしまうような感覚があり、結構、楽ではないなあと思いました。
メディアに『切り取られる』ということ(小さな定食屋に多くのメディアが押し寄せたことに思うこと) - 未来食堂日記(飲食店開業日記)
少し時間が経ち状況が変わった今当時のしんどさを振り返ってみると、単純にアウトプットの労力故もあるのですが、良いも悪いもわからない未知の何かが待ち受けている状態がストレスフルだったのだなと思います。
例えば結婚や引っ越しなど、人生にとってプラスの要因もまたストレスになり得ます。それと同じで、多くの媒体やマスメディアで報道されることはプラスであるにせよ初めての経験で予備知識もなく、『これから何が起こるのか』が分からない故のストレスがあるのだと思いました。
炎上に転ぶかも知れず、でもそれを共に引き受けるチームがあるわけでもなく一人で俎上に載り、良いも悪いも含めて第三者の目にさらされるということに、実際体験する段階よりも、それらを予期している段階が一番ストレスフルなんだなと思いました。自分はネガティブ思考なのでそういう所も影響しているかもしれません。
自分と同じような状態にある人がいるとしたら、伝えたいことは
・報道して欲しい事は必ず伝える
・強気に出るところは譲らない
ということでしょうか。
未来食堂が報道して欲しい事は『誰もが受け入れられ、誰もがふさわしい場所』を目指していること、譲れない事は『お客様が最優先であること』です。例えば営業中のインタビューは貸切とし貸切代を頂きます。「メディア露出できるんだからインタビュー中は店を閉めちゃおう」はNGです。来てくださるお客様が一番大事であり勝手に店を閉めることは出来ないからです(貸し切って貰えればお客様にも申し訳が立ちます)。また、複数箇所から同時に依頼が来た場合どこにでもいい顔をしていると相手にも迷惑がかかります。
最近は映像取材にも慣れてきたのですが、お客さまにとっては突然の出来事でありストレスフルな状態です。それを心に留め、できるだけお客様の迷惑にならないように局の方と二人三脚で頑張っていきたいです。ここについてはまだまだやるべきことがあります。
ご覧いただきありがとうございました。いつか、お会いしましょう。
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2015年度の年次報告、10、11、12月度の月次報告(確報)
こんにちは。
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10月、11月、12月度の月次報告(確報)及び2015年度年次報告をお伝えします。
2015年8月 2015年9月 2015年10月 2015年11月 2015年12月 2015年度
売上高 0 429,530 1,001,400 951,350 1,195,050 3,577,330
売上原価 8,675 154,262 252,448 259,938 293,070 968,393
売上総利益 -8,675 275,268 748,952 691,412 901,980 2,608,937
販売費及び一般管理費 698,062 1,085,350 553,381 793,937 812,416 3,943,146
営業利益 -706,737 -810,082 195,571 -102,525 89,564 -1,334,209
売上高原価率 - 36% 25% 27% 25% 27%
売上高販管費率 - 253% 55% 83% 68% 110%
営業利益率 - - 20% - 7% -
売上高人件費率 - 35% 30% 32% 25% 29%
営業日数 0 13 26 26 26 91
1日あたり売上高 0 33,041 38,515 36,590 45,963 39,311
サマリー
2015年度実績は開業初年度ということもあり一過性の消耗品費等の負担が重く、124万円の営業損失となりました。来年度以降は10月より続いているメディア様への露出に伴う売上増の剥落が起きることが懸念されますが、一過性費用の逓減も同時に見込まれてございます。双方の影響が相殺することによって営業黒字を確保する見込みです。月次での営業利益に関しましては、消耗品費用等の振れ幅が大きくなっていることもあり単月の数字はかなり凹凸が大きくなってございます。開業当初月を除く10月~12月の四半期に注目いたしますと、営業利益率は5.8%となり、おおむね大手外食チェーンと近い水準でございます。
ブログで公開されているこれら経営情報は、未来食堂の経営に関する情報を公開することによって、お客様に未来食堂についてより多くを知っていただくこと、また、今後の飲食店経営全般に貢献することを目的としております。ここで公開された情報は専門職の監査を経ていない参考情報であり、未来食堂の財務あるいは税務の状況を完全に正確に反映したものではない可能性があります。販管費には店主の人件費を月あたり30万円として算入してございます。これは実際の飲食店の経営の数字としてよりリアルな参考情報になるよう計らったものでございます。売上原価は当月仕入高と一致しております。たな卸高の増減を考慮しておりません(棚卸は年度末に一度のみ行なう)。人件費、消耗品費、減価償却費、貸借料等の経費は販売費及び一般管理費の項目に算入されています。
そろそろ初めての確定申告を迎えます。これからも精進して参ります。
なお、決算報告についてのディスクレーマーは下記も参照ください。
決算報告区分(速報/確定)およびディスクレーマー - 未来食堂日記(飲食店開業日記)
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