未来食堂日記(飲食店開業日記)

あなたの”ふつう”をあつらえる、未来食堂が開店するまで

2015年秋開店予定。神保町が第一候補。
本当に神保町徒歩3分の物件が見つかりました。
千代田区一ツ橋2−6−2 日本教育会館様B1。小さな定食屋です。

メディア露出が”しんどい”理由(小さな定食屋が多くのメディアに出て思うこと)

こんにちは。
このブログは『あなたの"ふつう"をあつらえる』未来食堂が開店するまでと、その後の日記です。

 
未来食堂は開店から2ヶ月経たない内に、多数のメディアに取り上げられるようになりました。
『多くのメディアが取材に来るとどうなるのか』については以前記事で書きましたが、時を経た今、『多くのメディアに公開されるとどうなるのか』を書き留めようと思います。
前記事はこちら。

 
なお、しんどいとはタイトルに書きましたが、これは自分の経験の浅さ故出てきてる反応であり、取り組んでいただいていた各社様に対する心情ではありません。誤解のありませんようどうぞよろしくお願いします。伝播して頂ける事は非常に有難く、ただその有り難さの中にある自分の感情を記録しておきたくこの記事を書いています。何かの参考になれば幸いです。
未来食堂の掲載メディアについては以下を参照下さい。
掲載メディア一覧(未来食堂)

 

多くのメディア

何を持って”多く”なのかは判断つきかねるところはありますが、現時点(1月下旬、開店5ヶ月目)でテレビ(映像)4、新聞3、雑誌4、Web9、露出しており、おそらくこれは多数の部類に入ると思うので”多くのメディア”としました。
これによる気付きは以下の通りです。
 

媒体による反響の違い

取り上げられるメディアによって反響の内容が変わります。例えば、

■Web
Facebookのシェア数などで反響がリアルタイムで分かる。大反響(3万シェア以上)となった場合、その反響の2日後から爆発的に来客が増える。主に30〜40代の男性が多い。3000シェア程度では大きな来客増はない。
 
■新聞
掲載一ヶ月後から徐々に『新聞で見た』お客様が来店される。電話問い合わせが増える。50〜70代の来客が数組増える。

■テレビ
目立った動きはない。放送直後に電話問い合わせが増える。コンセプトを知らないで来るお客様が数組増える。

■雑誌
目立った動きはない。

 

テレビに出たから混むとは限らない

テレ東さん、テレ朝さん、BS朝日さんと放映頂きましたが、『放映翌日からお店が大混雑』ということはなく、テレビに出ると一気に反響があるとよく聞いていたので、意外に思いました。
ただこれは、放映が平日夕方だったり数分間だったりするせいもあります。未来食堂がメインターゲットとする層(会社員)が見る時間帯ではなく、従って影響も少なかったのでしょう。これについては来週以降にビジネス専門の枠内で放映される予定があり、その際の来店状況から影響を判断したいです。

 

テレビや新聞を見て来店されるお客様

ただ、テレビや新聞に出た後は、ちょっと表現は良くないのですが、あんまり未来食堂を知らず、でも『有名なあの未来食堂に来ているんだ』という感じで来られる方が多く、未来食堂そのものというよりも『テレビに映っていたあのお店だから行ってみよう』という雰囲気が感じられ、こちらとしては対応に困ることもありました。
もちろん、例えば日々のお客様の中には『未来食堂はランチが美味しくお得なお店』としか認識されていない方がたくさんいらっしゃいます。そういった素朴な評価は嬉しく有難く本質的なものです。が、それとは異なり『有名だから来た。でここは何の店なの?』と問われても、ただの定食屋ですとしか答えようがないので困ったなと思いました。

 

テレビは一日がかり

映るのは5分でもほぼ一日撮影があります。新聞も何時間も取材するところが多く、大変だなと思いました。
特に映像は「この絵がほしい」に応える必要があるため動きのやり直しをすることもあり(例えばお盆のサーブや入店)独特だなと思いました。

 

”メディアへのお願い”を書いてよかった

連続して取材依頼を受けていると、XX社にはお願いした内容を○○社に伝え忘れるなど内容にばらつきが出てしまいました。そのため、未来食堂の理念や取材時のお願いをドキュメント化し公開しました。
取材を依頼されたメディア様へ - Google ドキュメント
 
結果、こちらの理念も格段によく伝わるようになりました。例えばテレ東さん『チャージ730!』では、短い尺の中に、私がちんたら喋っている理念をノーカットで入れて頂き、テレビのともすれば乱雑とも言える編集具合を感じていたので、本当に感動しました。結果、終わり方が尻切れトンボな感じになったのですが、それも厭わず私の発言を入れてくれたのは、ご厚意によるとともに、前もって私自身が大切にしていることを伝えられたからだと思います。

 

「テレビには気をつけろ」に思ったこと

「テレビは編集でどうとでも捻じ曲げられるから気をつけたほうがいい」と多くの人にアドバイスされました。実際テレビだけは他媒体と違い、編集後の内容を確認することが出来ません。一日撮って放映は5分弱もザラなので、どう編集されているのか不安もあります。でもきちんと伝えたい事(未来食堂の場合は『誰もが受け入れられ、誰もがふさわしい場所』を作ること)を共有することで、エッセンスは多少なりとも残してくれるはずだとある程度、性善的に考えています。
今時点ではニュース性もあり、”まずは撮って放映する”という感じを受けますが、色んな局の方からある程度の尺で記録したいとも言われているのでそちらに期待をかけ、短い尺ではある程度理念が削ぎ落とされても仕方ないのかなとも思っています。

「最近なんかで見て来ました」という人が増える

メディア露出初期の頃は「○○の記事を見て来ました」という人が多かったのですが最近は「何で知ったんだったっけなー。なんか最近未来食堂という名前をよく目にするんです」という人が増えてきました。そのため、初期の頃露出していたWeb以外のメディア媒体の反響が追いづらくもなりました。

 

メディア露出の相乗効果はあまりない

複数の取材記事が同日に公開されることが多々ありました。しかし相乗効果はほとんどありません。似たような内容でも有名なサイトに掲載されればそちらのほうがシェア数が格段に伸びていました。新聞✕Web記事など異種メディアによる相乗効果も特に感じませんでした。

 

インターネット→紙→テレビの順で波が来る

インターネットで何回も取り上げられた後、立て続けに新聞掲載の波があり、その少し後にテレビ撮影の波が来ました。
メディアにも情報のタイムラグがあるのだなと感じました。1月末の今時点はテレビの波が来ている感じです。
Webは何度も露出したため、最近の取材依頼は「これから書いても後発なので×××します」のような形が増えています。

 

波が引いた後の状態は未知数

メディア露出が通り過ぎると、お店は衰退に向かっていくというケースをよく耳にします。一見さんが詰めかけた結果、常連さんが離れてしまうためです。未来食堂ではなるべくこの危機を避けられるよう精進していますが、これについてはまだ未知数です。

 

メディア露出が”しんどい”理由は『未知との遭遇』だから

以前取材ラッシュさなかに、しんどい気もすると日記を書きました。

自分の経歴を何度も話していると、それ自体でエネルギーを使うということもあってか、『自分』が擦り切れてしまうような感覚があり、結構、楽ではないなあと思いました。
メディアに『切り取られる』ということ(小さな定食屋に多くのメディアが押し寄せたことに思うこと) - 未来食堂日記(飲食店開業日記)

少し時間が経ち状況が変わった今当時のしんどさを振り返ってみると、単純にアウトプットの労力故もあるのですが、良いも悪いもわからない未知の何かが待ち受けている状態がストレスフルだったのだなと思います。
 
例えば結婚や引っ越しなど、人生にとってプラスの要因もまたストレスになり得ます。それと同じで、多くの媒体やマスメディアで報道されることはプラスであるにせよ初めての経験で予備知識もなく、『これから何が起こるのか』が分からない故のストレスがあるのだと思いました。
炎上に転ぶかも知れず、でもそれを共に引き受けるチームがあるわけでもなく一人で俎上に載り、良いも悪いも含めて第三者の目にさらされるということに、実際体験する段階よりも、それらを予期している段階が一番ストレスフルなんだなと思いました。自分はネガティブ思考なのでそういう所も影響しているかもしれません。

自分と同じような状態にある人がいるとしたら、伝えたいことは
・報道して欲しい事は必ず伝える
・強気に出るところは譲らない
ということでしょうか。

未来食堂が報道して欲しい事は『誰もが受け入れられ、誰もがふさわしい場所』を目指していること、譲れない事は『お客様が最優先であること』です。例えば営業中のインタビューは貸切とし貸切代を頂きます。「メディア露出できるんだからインタビュー中は店を閉めちゃおう」はNGです。来てくださるお客様が一番大事であり勝手に店を閉めることは出来ないからです(貸し切って貰えればお客様にも申し訳が立ちます)。また、複数箇所から同時に依頼が来た場合どこにでもいい顔をしていると相手にも迷惑がかかります。
 
最近は映像取材にも慣れてきたのですが、お客さまにとっては突然の出来事でありストレスフルな状態です。それを心に留め、できるだけお客様の迷惑にならないように局の方と二人三脚で頑張っていきたいです。ここについてはまだまだやるべきことがあります。


ご覧いただきありがとうございました。いつか、お会いしましょう。
http://miraishokudo.com/

(千代田区一ツ橋2−6−2 日本教育会館様B1。9月13日OPEN。神保町駅徒歩3分)