「ただめし」開始1ヶ月の反響、新ルールの追加について
こんにちは。
このブログは『あなたの"ふつう"をあつらえる』未来食堂が開店するまでと、その後の日記です。
先月10日に、新システム「ただめし」を開始するとお話しました。
気がついてみるとシステム運用から1ヶ月が経ちました。今日は、この一ヶ月の動きと自分の気づきを書き留めておこうと思います。
ただめしとは
ただめし
入り口壁に、ただめし券を貼っています。誰でも使えます。困ったときは使って下さい。未来食堂には、50分のお手伝いで一食もらえる”まかない”制度があります。ただめし券は、”まかない”をした誰かが、自分が食べる代わりに置いていった一食です。
その名の通り、ただめしです。誰でも使えます。壁に貼っているポストカードを誰かが剥がして使うイメージです。
反響
システム告知記事は約5700シェアと大きな反響を頂きました。
ちなみにこちらが未来食堂facebookの「いいね」の動き。
システム告知で186いいねが付き、これは先週放送されたワールド・ビジネス・サテライトによる反響(81いいね)を倍以上上回っています。
マスメディア(テレビ)に出ると大きな反響がある、ましてやそれが有名番組なら間違いない、という仮説は今のところまだわかりません。ちなみに12月2日時点の1,316いいねは下記事業構想さんの記事がバズったときのもの。
元クックパッドのエンジニアが起業 飲食店の常識を覆す「未来食堂」 | 月刊「事業構想」2016年1月号
ちなみに、左の小さな山(91いいね、10月24日)が最初のPR Tableさんのバズ。
元・エンジニアが営む“定食屋のスタートアップ”が、飲食業界の定説を覆す!?|PR Table
(このあたりの分析に興味がある人は全データ渡すので自由に解析してください。。面白いデータは溜まってきてると思うのですが悲しいかなスキルがありません)
話が逸れました。
自分自身がメディアや分析の素人なので何で反響を測ればいいのかわからないのですが、お店に来てくださる方のなかに「ただめしっていいですねー」と話してくれる人も結構いらっしゃり、ある程度伝播されている感じがします。また、テレビでも面白がって「ただめし」を紹介してくださっていることも大きいのかもしれません。
使っている人はいるのか
よく聞かれるのがこれ。確かに日本人の気質的に、タダ飯を食らうというのは気が引けそうです。実際ただめし券を使っている人がいるのか皆さん気にされています。
答えを言うと、思っている以上に使われています。
押し付けがましくないデザインを追求
例えばただめし券を使った人に「うら面に自由にメッセージを書いてください」と書いてジーっとその手元を監視していれば、まるでそれは感謝の言葉を書けと迫っているように感じませんか。
私はそう感じるし、それは窮屈でしかなく、お仕着せの感謝に意味はないので、できるだけフラットな可能性が残りうるよう、券に書く必須項目は日付だけにし、極力その心情を吐露しなくても済むよう工夫しています。具体的には、
券のおもて面(まかないさんが書くべきこと)
「まかないをした日付、時間枠」が必須項目。例えば「2月1日朝枠」など。名前やメッセージは任意。『可愛い女の子だけ使ってください』と書いて電話番号を書いてもいいのです。
券のうら面(ただめしを食べた人が書くべきこと)
「使った日付」が必須項目。例えば「2月3日」など。名前やメッセージは任意。
使われた券はアルバムに入れて展示しているので、だれでもその軌跡を見ることができます。
「一人でご来店時のみ使用可」ルールを追加
このルールは当初念頭にありませんでした。ただ、テレビで紹介された次の日に、若い二人組が来て、1枚づつ剥がしてただめしを食べていて、これは想定外だなと思い追加したルールです。
本当に困っている人、”救われるべき価値のある人”のみが救われるべきだとは、私は思っていません。だからこそ道徳面や情緒面になるべく訴求しないフラットなシステムデザインを考えています。
ただし、やるんだったら一人でやれと思うのです。
個人的な意見かもしれませんが、『ちょっとした悪乗り』をしたいんだったら、その覚悟を決めてこいと言いたい。
「本当に困っている人が使っているか」は未知数
前述したとおり、誰でも使え、その使用意図を聞くようなこともしないので、誰が本当に困っているのかはわかりません。例えば券の裏に”お財布を落として一週間過ごさないといけなかったので本当に助かりました”と書いてあったとします。これは仮定の話ですが、こういう文言が書いてあると、アルバムでこの券を見た人から「いやーこういうのいいですねーこういう使われ方いいですねー」という感想をいただくことが多々有ります。
それを聞くと、「みんなお人好しだな」と思います。だって嘘かもしれないんですよ。
何書いてもいいんだし、腹を満たしてくれたお礼にちょこっとお涙頂戴な一文でも載せておくか、と考えた人かもしれないんですよ。
もし嘘だとなったら怒る人もいるかもしれません。でも自分は嘘だともほんとだとも思っていないので、ただめし券に書いてるすべてのメッセージに意味はありません。
真偽や善悪や清濁を超えたところに一つの物語があって、自分はどこまでブレずに逃げずにそれを読みきれるかなと思います。
ご覧いただきありがとうございました。いつか、お会いしましょう。
http://miraishokudo.com/
(まかないをしたい方は、未来食堂サイト内まかないページを御覧ください)
(千代田区一ツ橋2−6−2 日本教育会館様B1。9月13日OPEN。神保町駅徒歩3分)