初期投資100万超よりも大切なこと
こんにちは。
このブログは『あなたの"ふつう"をあつらえる』未来食堂が開店するまでの日記です。
昨日から内装工事が始まり、色んな経過をお話したいところではありますが、ここでは一歩視点を引いて、物件契約時の気付きについて書き記しておこうと思います。
飲食店の初期投資
散々有名な話ですが、飲食ビジネスでの起業は相当分が悪い選択です。初期投資が何百万〜何千万とかかり、在庫を持ち、投資回収に時間が掛かる。
ホリエモンの起業原則は以下の4つですが、飲食店は見事にどれも当てはまらないのです。
堀江貴文のビジネス4原則
1.小資本で始められる。
2.在庫がない(あるいは少ない)
3.利益率が高い
4.毎月の定期収入が確保できる
未来食堂の初期投資
未来食堂は7.5坪。初期投資に当たる内装工事は、スケルトン物件の業界平均と言われる坪100万(厨房機器含め)とみて、大体700万〜800万弱。高い‥ですが、もちろんこれを見込んで事業計画を立てていました。
そして建築業者の方が来て見積をとり、最終的な金額がFIXした日。
ざっと言って大体600万で収まるのではないかとのやり取りもあったのですが、出てきた数字は700万程度。初期投資が目論見を100万円超したわけです。
勿論そこから詰めれるものは詰めて金額も数十万は落ちたのですが、それは後の交渉での話。
見積書が出てきた時は、情けないながら、数日凹んでしまいました。
色々なやり取りを経て信用できる業者さんに出してもらった数字なのに、感情がついていかないのです。
"飲食ビジネス”の脆さ
一歩引いて考えれば、高々100万円な訳です。
サラリーマンになれば何時でも取り返せる。
借金するわけでもない。
元々想定していた枠から大幅超過するわけでもない。
高々100万円と思いながらも凹んでいる、矛盾した自分の思考回路をさりとて解きほぐすことも出来ず、くよくよくよくよしていました。『もうダメかもしれない』と。
今から振り返って考えると、この時感じた絶望感は飲食ビジネスの脆さだったんだと思います。
高々100万円で収支計画がこんなにもブレてしまう。
赤字黒字が簡単にひっくり返ってしまう。
喩えるならば一緒に歩いていた友人がとつぜん凶弾にあたって倒れてしまったような、今まで無条件に大丈夫だと信じていた事が一瞬にしてひっくり返る様な無常感が自分を襲ったのでした。
初期投資超過よりも重要なこと
くよくよしていた自分は、もう一度物件を探し始めたりもしました。
坪数も家賃も希望内で収まっているので、現実的にここより良い条件はまず無いのですが、ダメかもしれないとおもうと無意味に別の可能性を模索してしまう、逃げている自分がいました。
塞ぎこんだまま旦那に「初期投資が想像以上に膨らんで、もうだめかもしれないと凹んでいる」と打ち明けました。この予想外の出費に彼は平然としていて、その理由を聞き出そうとも思ったのです。
「なんでくよくよしているんだ」という返事の後に、これから先、思ってたほど人が来ないとか、もっと色々大変な事があるんだからこれぐらいはどうってことない。それよりもそうやってくよくよして、今の貴重な時間を無駄にしている方がよっぽど勿体無い。そう言われたのです。
たしかにそうだとハッとしました。
開業前の今、山のように本を積み上げて毎日勉強を重ねています。
でも見積もりの件があってから数日間、何も手を付けず、勉強をほっぽり出していたのです。
この時借りていたのは、盛り付けの本、約10冊。
きちんと、雑念を払って、読み込みました。
超過したと言っても致命的な程ではない。
飲食ビジネスの分の悪さは最初から覚悟していたことです。
限られたこの瞬間を学びに使わないと意味が無い。
無常感に浸るのではなくて、その小さく分が悪いビジネスモデルを受け止めて、覚悟して、その中で自分ができることを考えぬくこと。
覚悟がまだまだ足りなかったと、気付かされた出来事でした。
なんの役にも立たない記事ですが、日々の思いということで正直に書き留めておこうと思います。
ご覧いただきありがとうございました。いつか、お会いしましょう。
http://miraishokudo.com/