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未来食堂日記(飲食店開業日記)

あなたの”ふつう”をあつらえる、未来食堂が開店するまで

2015年秋開店予定。神保町が第一候補。
本当に神保町徒歩3分の物件が見つかりました。
千代田区一ツ橋2−6−2 日本教育会館様B1。小さな定食屋です。

飲食店開業のゴール設定、あるいは未来食堂の終わりについて

コンセプト 経営の数字

こんにちは。
このブログは『あなたの"ふつう"をあつらえる』未来食堂が開店するまでの日記です。

 
夏頃から内装工事を予定しており、設計や業者様選びなど書きたいこともたくさんあるのですが、現段階では公にできないこともあり、、落ち着いたら色々書きたいなと思っています。
 
そんな中で今日は、未来食堂の行末について、今の自分が考えていることを少し書き残しておこうかと思います。
 
まだ店すら無いのに書くべきテーマなのかと思われるかもしれませんが、今の時期に立ち止まって行く末をイメージする事は、無駄ではないだろうと思います。何のメリットがある訳でもない記事ですが、”日記”らしく自分の考えを書き残しておきます。

 

飲食店開業のゴール

飲食店を開いたとして、何を日々の目標にするのか。
自分の場合は『第一のゴール』『第二のゴール』…というようにいくつかの目標を持っています。

 

第一のゴール

これは単純で、赤字を出さないこと。 

第二のゴール

これも単純で、初期投資分を回収すること
 
色んな事があるだろうけれど、この2つは死守すべきラインです。
 
問題はこの先。

飲食店開業の”成功”

よくある飲食店の成功例としては、二号店を持つ多店舗展開フランチャイズといったものです。しかし未来食堂の”成功”は果たしてこの中にあるのでしょうか。
 
未来食堂は”あつらえ”(おかずのオーダーメイド)をコンセプトとする、非常に属人性の高いお店です。私が作る”あつらえ”と、別の人が作る”あつらえ”は全く別のものとなるでしょうし、そう考えると多店舗展開やフランチャイズ化は本筋ではないと思っています。
”あつらえ”の実現しやすさから未来食堂は”定食屋”の体をとっていますが、本質的にはどんな業態だっていいのです。例えば”あつらえ”のあるインド料理屋や中華料理屋など。人によって出来上がるものが違うという意味では『あつらえの出来る山田さんの中華料理屋』の横に『あつらえの出来る田中さんの中華料理屋』が並んでいてもいいわけです。ちょうど『中華料理屋』の横に『中華料理屋』があっても不自由しないように。
”あつらえ”は業態のように幅の広い概念であり、言うならば『中華料理屋』『寿司屋』『パン屋』『イタリアン』それぞれが『あつらえ有る無し』で区分できるって訳です。これではフランチャイズのように免許制にするのは不可能です。
 
では、一般的な成功モデルとは違う、未来食堂の”成功”とは何なのか。この問題は未来食堂を考えだした時からずっと頭のなかを占めていました。
 
 

第三のゴールは『バトンを渡すこと』

未来食堂は、今は飲食店の形をとっています(とろうとしています)。そして、もし飲食店の形を取ってずっと私しかコミットメントしていなければ、私が死んだらなくなってしまいます。長くても100年すら無理なわけです。でも、人が人と向き合い、世間の常識の枠を超えてただその人にとってふさわしいものを差し出すという在り方は100年たっても変わらずにあるものだと、尊いものだと、私は信じています。それはそれはもう、馬鹿みたいに迷いなく信じています。
 
未来食堂は多分、どこかで飲食店の枠を超えると思います。
飲食店のまま、しかもカウンターだけの定食屋とあってはとてもスケールする余地がありません。そして飲食店の成功ベクトル上に目標があるわけでもありません。そう考えた時、”飲食店”としてスケールするのではなくて、もっと別の概念の何かに転換することでスケールしていく未来が見えるのです。
 
『スケールさせる必要があるの?』と問う方もいるかもしれません。はい、あります。というよりもスケールすることが求められると信じています。人が人を思うということ、その人らしさを常識で縛らずただあるままにその人を肯定すること、そんな信念を持つ場所を求める人はきっと少なくないと思うのです。すごく感覚的な表現になり申し訳ないのですが、もっと大きなものに呼ばれているという意識が自分のなかにあります。
 
未来食堂の転換先が何なのか、それはまだ分かりません。
まだ分からないというよりも、私の能力程度では飲食店としての未来食堂までしかイメージ出来ないのです。私は『誰もが受け入れられる場所』を実現するために、”あつらえ”を発見し、飲食ビジネスのフレームワークに落としこんで飲食店を設計しました。自分が一点の曇りもなく迷いもなく信じられるのは、ここまでです。自分の思いを全てつぎ込むためには、自分の原体験と結びついている『食卓』の形である必要がありました。
自己紹介やこのブログについて - 未来食堂日記(飲食店開業日記)

 
例えば”あつらえ”をもっと浸透させた宿泊施設を作るとか、飲食テナントビルを作るとか、流行りのインターネットビジネスを作るとか、そんな在り方があるかもしれません。でも私はビジネスセンスを豊かに持ち合わせているわけでもなく(そもそもまっとうなビジネスセンスがあれば個人飲食店なんてあまりに効率が悪くて踏み出せるものではありません)、私レベルでは上記の例のようなありきたりで平凡な発想(サービス業、インターネット業etc)しか出来ないわけです。
そう思った時『私よりももっと優秀な人にバトンを渡すこと』が私のゴールだと、すんなり理解ができました。

 

サイゼリヤとクックパッドで学んだこと

『自分より優秀な人にバトンを渡す』をイメージ出来た背景には、サイゼリヤとクックパッドで働いていたことも関係しています。
どちらも一代目の社長から代替わりしてまだ日が浅い、そんな時期に働いていました。どちらの職場でも聞こえた声は『自分とは違うタイプの人間に後を任せられるのは凄い』ということ。サイゼリヤ一代目(正垣さん)、クックパッド一代目(佐野さん)はどちらもカリスマ性に富んだアイデアマンという印象。でもどちらも理知的な人を2代目に据えています。サイゼリヤで働いていた時、社員の方が『正垣さんはカリスマ性があって自分のコピーみたいな取り巻きにたくさん囲まれていたけれど、あえてそういう人ではなくて外から選んだ人を2代目に据えたのが素晴らしい』と話してくれたことがあり、それを聞いて私も同意しました。

 
未来食堂がこれからどんな形になっていくのか、そのことに今答えが出せない自分を恥じてはいません。自分にはその能力が無いことを認めて、より良い人が来た時に振り向いてもらえるように、その答えを一緒に見つけてもらえるように、ブランドとしての未来食堂を磨き上げることが自分の役割なんだと思っています。自分はただの一プレイヤーに過ぎません。
 

今、世の中には22歳の頃の僕がやっていたようなプランが溢れていると思うんです。いいアイディアはたくさんあります。見栄えのいい企画書を作って、提案して。…(略)…でも、今地域にはプランよりもプレイヤーが足りない。必要なのはプランではなく、発言した内容に責任をもって、描いたプランを実行していく人、当事者です。
【島根県海士町】移住希望の若者よ「プレイヤーを目指せ。もうプランは十分だ」 | 灯台もと暮らし

 
 
たかだかカウンターだけの小さな定食屋だし、そもそも売れなくて閉店するかもしれません。
でもそうなって笑われたとしてもいいんです。
大切なのは今の自分がどう思って何を信じているのか、それをごまかさないことなのかなーと思います。

 
ご覧いただきありがとうございました。いつか、お会いしましょう。
http://miraishokudo.com/

(千代田区一ツ橋2−6−2 日本教育会館様B1。9月OPEN予定。神保町駅徒歩3分)