日経ウーマン・オブ・ザ・イヤーを受賞しました(受賞スピーチ全文)
こんにちは。
このブログは『あなたの"ふつう"をあつらえる』未来食堂が開店するまでと、その後の日記です。
昨日12/2(金)に、日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー、”食ビジネス革新賞”を受賞しました。
~食材ロスをなくしながら、高回転率を実現する食堂を経営~
小林 せかいさん(32歳) こばやし・せかい
「未来食堂」代表「あつらえ」「まかない」「ただめし」…
これまでにない仕組みを考え、飲食業に新風を吹き込んだ2015年にオープンした東京・神保町の「未来食堂」。メニューは日替わりで1種類だけだが、18時以降は店にある食材を選んでオーダーメードできる“あつらえ”や、50分間未来食堂で働けば1食900円の定食が無料となる“まかない”といった、ユニークな仕組みを持つ。11時~14時の昼のピークタイムで最高7回転するなど順調に顧客が増えている一方で、売上原価率は25%前後と低い数字を実現。無駄を省くことで、原価率を下げ、余った食材は翌日の小鉢の材料や“あつらえ”を提供することで食材ロスもほとんどゼロにしている。売り上げや事業計画書を公開することで、自分の知識をシェアしながら、よりよいビジネスを模索している。
ウーマン・オブ・ザ・イヤー2017発表!-【デザインものづくり賞】:日経ウーマンオンライン【ウーマン・オブ・ザ・イヤー】
選んで頂いたことに感謝すると共に、しかし自分は、この受賞は大きな試練だとも考えています。
スピーチは緊張しましたが、改めてここに全文を載せておきます。
このたび、日経ウーマン・オブ・ザ・イヤーという、大変大きな賞を頂いたことにとても意味を感じています。
私自身は小さな人間で、未来食堂も12席だけの小さな定食屋です。
私自身が受賞に値するとは思えませんが、この賞は、私のように世の中の”こうあるべき”という姿に立ち向かい、今まで誰も見たことがないような新しい世界を産み出していく、そんな孤独な戦いに明け暮れている方の代理として、本日、頂きに参りました。
このように著名な賞を頂くことを、私は大きな試練だと考えています。
なぜなら、未来食堂、そして私の理念は、『誰もが受け入れられ、誰もがふさわしい場所』。
未来食堂は最後のセーフティーネットとして、ただただ『あなた』のためにある場所です。
しかしそんな小さな場所を理念とする私が、このような賞を受賞し、一度有名人になる快楽に溺れてしまえば、あっという間に『誰もが受け入れられ、誰もがふさわしい場所』という理念は変質してしまうのではないでしょうか。
多くの人に『未来食堂は良い』と思われたからこそ、今日、この場に立つことができました。
しかし、それは目的ではなく、結果に過ぎません。
『誰もが受け入れられ、誰もがふさわしい場所』に向かう私の小さな足取りは、このように大きな賞賛の爆風によって今にも吹き飛ばされそうです。
私のように小さな人間に、このような大きな試練が与えられたことに、心から感謝いたします。
なお、未来食堂の仕組みについては、本日から発売される『ただめしを食べさせる食堂が今日も黒字の理由』にすべて書き下ろしました。
この会場でも売っています。既にお買い上げいただいた方々ありがとうございます。
最後に一言だけお伝えしたいことがあります。
私は、未来食堂を始めるために会社を辞め、パートやアルバイトをしながら修行を重ねました。
そんな過程を報道で知った方から、「そうやって気ままにチャレンジできるのも独身だから」といったコメントを頂くことがよくあります。
しかしそれは違います。
私は結婚しており、6歳の子どもがいて、今妊娠5ヶ月目です。
「こんなチャレンジが出来るのは独身だから」という発言に、私はNoと答えます。
しかし私は、母であることに自分のアイデンティティはありません。
ですので、これ以上のコメントは特にありません。
環境が、あなたの行動にブレーキをかけるのではありません。
あなたの行動にブレーキをかけるのは、ただ一つ、あなたの心だけなのです。
スピーチの詳細、この内容にした経緯については、3冊目の本『やりたいことがある人は未来食堂に来てください』に書き下ろしました。
やりたいことがある人は未来食堂に来てください 「始める」「続ける」「伝える」の最適解を導く方法
こちら↓は未来食堂の仕組みや、どうしてその方法で実現可能なのかを解説した本です。
日々の業務(ご飯を炊いたり掃除をしたり)の合間を縫って書きました。
ただめしを食べさせる食堂が今日も黒字の理由
どちらも未来食堂で購入できます(1食無料券をお付けしています)。
amazonや本屋でお買い求めの場合は、2冊セットで持ってきて頂くと1食無料券を差し上げています。ありがとうございます。
※書店では景品を付けて販売できないのでこのような方法を取っています。
ご覧いただきありがとうございました。いつか、お会いしましょう。
http://miraishokudo.com/