未来食堂日記(飲食店開業日記)

あなたの”ふつう”をあつらえる、未来食堂が開店するまで

2015年秋開店予定。神保町が第一候補。
本当に神保町徒歩3分の物件が見つかりました。
千代田区一ツ橋2−6−2 日本教育会館様B1。小さな定食屋です。

未来図書が目指すもの、これまでの経緯

こんにちは。
このブログは『あなたの"ふつう"を誂える』未来食堂が開店するまでの日記です。
今日は、未来食堂のサブサービスである未来図書についてお話ししたいと思います。

 

未来図書とは

事業計画書から一部抜粋してみます。

i. 概要
未来図書とは、未来食堂内で各種画集などが閲覧できるサービスである。書物は定期的に入れ替わり、来店リピートの動機付けに貢献する。現段階では半月ごとの書物入れ替えを予定。
 
ii. コンセプト
未来図書は”知らない世界も面白い”をコンセプトとする。
お客様は今まで目にしたことのない珍しいジャンルや画集を手に取ることにより、知的好奇心を刺激される。時期ごとに特定ジャンルを扱うのではなく、幅広いジャンルから少しづつ持ち寄ることで”知らない世界”が豊かにあることを表現する。
 
iii. メインサービス(未来食堂)との関係性
ジャンルに関係なく様々な本が別け隔てなく並べられている未来図書は、多様な人々を許容する空気を醸成する。この雰囲気は前述した『誰もが受け入れられ、誰もがふさわしい場所』に沿う。

イメージとしては、図書館と映画館が混じったような感じです。
(『半月に一度入れ替え』は映画館の上映作品スケジュールを意識しています)

HPで現在展示している本を紹介しています。
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やってきたこと

去年夏から蔵書ブログ『未来図書』で蔵書を一冊づつ紹介しています。

本と本を繋げることを目的としているので、
Aを紹介→AといえばB→Bを紹介 の流れで記事を作っていました。
図にするとこういう感じ。
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この方法で記事をひたすら貯めていきました。

本当にやりたいこと

最終的に未来図書がやりたいことは、本と本を紡いで巨大無限の迷宮を作る事。

AといえばBと『発想』することは、今はまだコンピュータには出来ません。
一見無関係な事象たちが角度を変えると繋がりを持って語りかけてくる。
これこそが読書の面白さだと思いますし、また、知識を持つ意味だと思うのです。

ビジネス的な目線から未来図書を考えたとしても、
蔵書の量だけで、抜きん出たお店になることは難しいです。
何百冊も写真集を閲覧できる喫茶店もあると聞きます。
未来図書の蔵書はせいぜい200冊弱。

でも、ジャンルを超えて本同士を結びつける事であれば負けません。
冊数ではなく質。
巨大な曼荼羅を作り上げる事こそがキュレーションの本質だと思うのです。

ということで、100記事を超えるころから、相互的な流れを作り複雑化していきました。
『先日Aを紹介しましたが、似たもの繋がりでBを持ってきました。Bに似たものはCとDがあります』が骨格。

実際の記事としてはこんな感じ。

図にするとこんな感じになります。
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記事数が増えてきたので紐付けが複雑になってきました。
ここまで来るのがわりと長くて大変でした。ようやく理想の姿に近づいてきました。

これからやること

引き続き記事を書きつつ、最初の方に書いた記事は他記事からのリンクがない状態なので、記事を更新して作りこんでいきます。
何気なくページを読んでいたらいつの間にか迷宮に迷い込んでしまうような、そんな形が目標です。
(これについては計測もしているのでまた結果報告したいです)


未来図書の前身

実は自分は大学生の時、
学園祭で『きもの(不思議図書館)』というお店を個人で開いていました。
一年から四年までの間、来場者投票で毎年1位を獲得し(最終だけ停電事故があり2位、惜しい)
他大にも出店するなど人気を誇っていました。
この写真は東大学園祭で取材された記事です。
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なので、どんな店であるべきかは過去の経験が教えてくれたので、
未来図書に関してはあまり迷うことはありませんでした。

人から「お店やりそうなタイプ」と言われることもあり、自分としても
「40過ぎたあたりで喫茶店かバーでもやるんだろうか」とぼんやり思っていたのですが、
珈琲もアルコールも突き詰めるほど好物ではなく針を振りきれずにいました。

それに20歳で成功した事を再び繰り返すのもつまらない話です。
なので未来図書は、それだけでもブックカフェとして一本立ちできる位の完成度でありながらも
あくまでサブサービスとしての位置づけにとどめています。

 

駒場祭のパンフレットをもらって眺めていた時の話だ。
東工大からやってきたきもの喫茶」というフレーズを見た時に過去の東工大の友人との会話がフラッシュバックした。
「日常的に着物を着て学校に来る名物女子がいて、すっげー怪しい雰囲気の喫茶店を学園祭でやって好評だった」と。
その時はふーん、ぐらいに聞き流していたが駒場でやるとなると俄然興味が湧く。しごく普通の平日である金曜なら客も少なかろう、どんな変人か見に行こうぞと朝一から突撃してみた。
いざ企画場所に入ると、間接照明だけの暗い教室内の机に彼女の蔵書が平積みにされていた。教壇には飲み物につけるお菓子が容器に小分けされてぎっしりと置かれており、そこに刺されたマドラーの大群は墓標を思わせてどきっとしてしまった。
着物を着た店主は予想よりも愛嬌のある女性だった。(俺の人生経験上、変わり者が美人なのは美少女モノの世界だけだ!)こちらをご覧になって、読みたい本がありましたら声をかけてください、と渡された蔵書リストはどちらかといえばサブカル、それもややアングラにまで足を突っ込んだものばかり。しかしリストの1冊1冊に書かれた彼女の短評を見ているだけで楽しめてしまうし、実物もその場にあるわけで読むこともできる。気が付けば3時間近く長居してしまった。(さらに夕方にもう一回行ってしまった)
店主の理知的なふるまいと蔵書の「えげつなさ」のギャップから様々なアイデアを得ることができた。うまく説明できない。知的興奮といいかえればもっともらしいかもしれない。自分を疑うなら単に未知の刺激に興奮しているだけかもしれない。しかしこういう興奮は数年ぶりの気がする。
駒祭期間中は入り浸ってしまいそうだ。日曜には信頼に足る女友達を連れて行って感想なぞ聞いてみようと思う。
レビュー【その4】 - こばやし せかい | 早稲田大学の学園祭「早稲田祭2007」

 
たくさんの方がファンに成ってくれた「きもの」が再び皆様を楽しませますように。

あと、一人で来る中高生は料金半額にしたいな。
未来図書はきっと人生に大きな影響を与える場所になると思うので。
しかしそれはまた別の話。又の機会にお話しましょう。


ご覧いただきありがとうございました。いつか、お会いしましょう。
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