硬水・軟水で昆布を引き比べる
こんにちは。当サイトは、”未来食堂”を開店するまでの日記です。
ある日、料理関係者の方からこんな話を聞きました。
・昆布は硬水と軟水で、ダシの出方が違う。硬水はあまりダシが出ない
・昆布は60度の水で引くのが一番旨味が出る
そうだったのか?!初耳でした。
確かに、硬水と軟水で水中のミネラル量が違うのだから、ミネラルが多い硬水のほうが、旨味が水中に出づらいかも。
昆布を引く温度にしても、たいていの料理本には「昆布は1晩水に付けておくこと」とあります。でも考えてみると、熱湯で引かないのは臭みが出るから。高すぎないぎりぎりの温度で昆布を引くのは確かに納得できるやり方です。
早速実験してみました。
60度保温を実現する
いわゆる料亭では、火を入れながら60度を保ち続けるのだと思いますが、そこまで繊細な仕事は難しい(だからこそ家庭では一晩の水で引いているわけで)。そこで考えたのが保温ジャー。Amazonで一番安かったランチジャーを購入。
THERMOS 真空断熱フードコンテナー 0.38L クッキークリーム JBI-381 CCR
これで一晩、ある程度の温度を保つことが出来ます。
実験開始
昆布を二等分して、ジャーに入れます。
ジャーは一つしかないので、まずは軟水から。
軟水は水道水を濾過したものを使います。
軟水の場合
一晩置いたものがこちら。
むむっ。薄い。ダシがあまり出ていない感じ。
でも飲んでみると、だしの丸い感じが表現されています。
香りも出ていて美味しい。
硬水の場合
硬水はevianを使用。
むむっ。むしろこちらのほうが色濃い感じ。
飲んでみると、色に反して旨味はあまり感じません。
香りは良い。
水質 | 旨味 | 香り |
---|---|---|
軟水 | よく出る | 出る |
硬水 | 出る | よく出る |
こんな感じでした。
「硬水だと旨味を感じない」と書いたものの、硬水らしさ(いわゆる硬い感じ)がなくなっています。ひょっとして水中のミネラル分と旨味成分が結合することによって、旨味は出るけれども味覚として感じにくくなっているのかも知れません。
調べて見ると辻調の記事をみつけました。
(昆布×硬水について)
カルシウムが昆布の表面に付着し、だしに昆布のうまみが抽出されません。
カルシウムが昆布の成分と結合し、アクになり、だしがにごります。
ふむふむ。
引いた後の昆布を食べたけれども付着までは分かりませんでした。
まとめ
・昆布を硬水で引くのが一概に悪いとも言えない。
・一晩の保湿は保温ジャーで実現できる。ご家庭でも是非。
硬水を飲みづらく感じている人(私がそう)は、昆布を一枚ペットボトルに入れておくとまろやかになって飲みやすくなります。
カルシウムがどう変形するのかは不明ですが、飲んでみて腸に効いている感じ(w)は、普通の硬水と変わりありませんでしたよ。
ちなみに撮影で使ったコップは、未来食堂で使う予定のグラスです。
”懐かしい未来”がテーマの未来食堂では、グラス食器は60年代のモダングラスを使おうと思っています。次回はそんな話もしたいです。
ご覧いただきありがとうございました。いつか、お会いしましょう。