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未来食堂日記(飲食店開業日記)

あなたの”ふつう”をあつらえる、未来食堂が開店するまで

2015年秋開店予定。神保町が第一候補。
本当に神保町徒歩3分の物件が見つかりました。
千代田区一ツ橋2−6−2 日本教育会館様B1。小さな定食屋です。

新システム「ただめし」を開始します

こんにちは。
このブログは『あなたの"ふつう"をあつらえる』未来食堂が開店するまでと、その後の日記です。
 
今日は、未来食堂の新しいシステム「ただめし」を発表したいと思います。
 

現システム

未来食堂では現在、あつらえ、まかない、おすそ分け、の3つのシステムがあります。

あつらえ
未来食堂では、通常の定食でお出しする小鉢をあつらえることが出来ます。壁に記載している材料から選んだり、「温かいものが食べたい」「ちょっと喉が痛い」「今日は良いことがあった」などの、気分や体調に合わせたあつらえも可能です。
(あつらえ一点につき 400円。食材は2つまでお選び頂けます)

まかない
50分のお手伝いで一食サービスいたします。

おすそ分け
未来食堂では飲み物の持ち込みが出来ます(持ち込み料はいりません)。ただし、持ち込んだ物の半分は、お店や他のお客様におすそ分けして下さい。皆が嬉しい、不思議でお得なおすそ分けです。(お店に置いているお酒も、滅多に飲めない良い銘柄です。たった一種類だけ置いています)

ここに、ただめし、が加わります。

 

ただめしとは

ただめし
入り口壁に、ただめし券を貼っています。誰でも使えます。困ったときは使って下さい。未来食堂には、50分のお手伝いで一食もらえる”まかない”制度があります。ただめし券は、”まかない”をした誰かが、自分が食べる代わりに置いていった一食です。

  
その名の通り、ただめしです。誰でも使えます。
こういうポストイットを壁に貼って、誰かが剥がして使うイメージです。

 

ただめし、について思うこと

ただめしを思いついたのは幾つかキッカケがあります。
 

”子ども食堂”に惹かれた

子ども食堂とは、貧しい子どもに無料・格安で食事を提供する団体です。
先日、クリスマスの売上を投票制で募金したのですが、多くのお客様が選んだ募金先がこの”子ども食堂”でした。
クリスマス、【売上の半分】を寄付しました - 未来食堂日記(飲食店開業日記)
 
募金を通して初めてこの活動を知り、『誰もが受け入れられ、誰もがふさわしい場所』を目指す未来食堂にとって、食べられない子どもがいるのは確かにちょっとなんとかしたいな…、と思いました。まずはこの思いからスタートしました。
 
しかし、そもそも子どもに限定せずとも、必要な人に届けばいいという考えにシフトしていきます(立地的に未来食堂は東京一等地ど真ん中なので子どもがいないというのも大きいです)

 

まかない、の次の姿を考えていた

まかないは、労働を対価として食事が提供される仕組みです。最近、この食事を知り合いに贈る人がチラホラ出てきました。「この一食を自分で食べることもできるけど、誰かにあげることも出来るよ?」と試しに聞くと、面白いもので、「だったら友達にあげたい」という人が結構いるのです。その姿を見るたびまかないをプレゼントできる仕組みを作りたいとずっと考えていました。

 

ただめし、のシステムデザイン

ただめし、という名前や仕組みについて考えた事は以下のとおりです。
 

阿呆っぽい名前

こういった『次の人の会計を負担する』善意の仕組みは”ペイ・フォワード”とよばれます。しかし、そういった横文字のかっこいい呼び方や『贈り物』『ほどこし』『恩送り』などのお仕着せがましい単語ではなく、もっとフラットな面白おかしい何か位のバランスを目指しました。
「ただめしww」くらいでちょうどいいのかなと。これくらい肩の力が抜けている方が、本当に使いたい時に負担なく使えると思います。「まあ!可哀想!寄付してあげましょう!」という、ともすればヒステリックにも傾きがちな情熱ある善意は、本当に疲れている時には負担に感じられることもあるのではないでしょうか。

 

気兼ねなく使える

ただめし券は入り口壁(誰からも見えない所)に貼っています。バレないように使う事ができます。店内壁など皆が見ているところでは「悪いかな〜」と使いづらくなるためです。こっそり使って、いつか元気になったら、まかないをして、新しいただめし券を貼ってくれたら上等かなと。

 

ただめし券はなかなか貼れない

ただめし券、面白いから貼りたいと思う人もたくさんいると思います。
私も貼りたいです。「ただめし券ww」みたいな感じで貼りたいです。
が、これ、お金を出せば貼れるというものではありません。
まかないをする、つまりある程度時間をかけないとただめし券を貼る(=善意を表明する)ことは出来ません。これは、ただめし券の数を爆発的に増やしたくないという思いから設計しています。
 
少し話が前後しますが、ポストイットを壁に貼るヒントをくれたのはこちらのピザ屋さんの写真でした。
f:id:miraishokudo:20160110204921p:plain:w300
見知らぬ誰かの、代金を支払う。「ポストイット」を使ったピザ屋の、斬新な取り組み! | TABI LABO
 
壁のポストイットを引き換えに1ドルのピザを手に入れることが出来ます。
 
素晴らしいと思いますし、この画像からは善のエネルギーを感じます。
惹かれると同時に、しかし”違う”とも直感的に思いました。
 
『なにが”違う”んだろう』と数日考え、行き着いたのは”関係”という言葉です。
 
未来食堂が大事にしているのは、お店と”あなた”の関係です。
”あなた”が困っている、
一食がないと途方に暮れているとして、
そしてそうやってフラフラと未来食堂にやってきたとして、
果たして無限にポストイットが張っている必要があるのでしょうか。
 
一枚貼っていれば、(取るのが憚られるというのであれば)数枚貼っていれば、それで良いのではないでしょうか。
大切なのは”あなた”に届けること
山のような善意を見せびらかす必要はないし、小銭で楽しめる消費型善意購入システムも提供しません。
だから、無限にポストイットが張っているのは”違う”のです。


”ただめし券”という阿呆っぽいネーミングと相まって、何となくノリで使うひともたくさんいると思います。
でもそれで良いんだと思います。
100枚ただめし券が貼ってあったとして、99人がノリで使っても、たった1人がほんとうに困って使ったのなら、それで良いんだと思います。
奇跡はそうそう簡単に起こらないし、100人中100人が絶望の淵に立っている必要はないのです。だれもが幸せだったらそれが一番いいわけです。
 
本当に困っている人が使って欲しいと、思いながら誰もが善意の糸を紡ぎ続けるのだと思います。
それはそれで素晴らしい事なのですが、本当に必要なことは、感謝の気持ち含めて何の”お返し”も期待しないこと、最後の100番目が『本当に困っている人』だとして、その前の99人が例え『使ったことを思い出しもしないような施しがいのない人』だとしても施しをするのかと、するのだと、そういう覚悟を決めることだと思います。99回踏みにじられても1回が誰かの支えになればそれで十分だと思います。
  
「ただめしw」とか笑いながら伝播されて、ノリで貼ったり剥がしたりして遊んでるくらいで良いんだと思います。大切なのは伝播されること。100回目に小さな何かが起こること。


 
いつかのあなたが使えるように貼っておきます。
思い出してください。

 
ご覧いただきありがとうございました。いつか、お会いしましょう。
http://miraishokudo.com/

(まかないをしたい方は、未来食堂サイト内まかないページを御覧ください)
(千代田区一ツ橋2−6−2 日本教育会館様B1。9月13日OPEN。神保町駅徒歩3分)