”ディテールにこだわる” は、自己嫌悪との戦い
こんにちは。
このブログは『あなたの"ふつう"をあつらえる』未来食堂が開店するまでの日記です。
今まさにお店が作られるフェーズということもあり、色んな物を一から選び続けている毎日です。
例えば椅子。岩手の倉庫におじゃまして選び抜きました。
壁紙は昭和サイケなBB9825と、木目調のSG6003の合わせ技がいいな、とか。
DIYショップRESTA 自分リフォームやクロス張替えを楽しもう!
http://www.sangetsu.co.jp/product_search/detail/SG6003/
”一から自分の好きなお店が作れていいなあ”と思われるでしょうか。
うーん、そうかもしれません。有難いことかもしれません。
ただ、こんな日々を過ごしている自分にやってきたのは、結構な度合いの自己嫌悪でした。
”一から自分で決める”ということ
椅子や壁紙と言うのは大きなことなので、ここをトコトン選び抜くというのは納得の行く話です。
でもね、”一から決める”となるとそんなに大きなことばかりではない。むしろ細かいことの連続なのです。
調味料トレイに四苦八苦
例えばこの、調味料を置くトレイ。何週間も決められずに探し求めました。
この銀色のトレイは無印良品のもの。
でもこれだと調味料4つ分の幅なので『塩・しょうゆ・爪楊枝』だとスペースが余ってしまう。
業務用を探してみるもサイズが合わないし、いかにも業務用な感じが出ていてちょっとなあという感じ。
http://homepage2.nifty.com/shincoo13/1285.html
かっぱ橋道具街をみて、デパートを見てハンズを見て、、辿り着いたのはWECKの瓶。
http://www.marcs.co.jp/items/mold-shape-160ml/
この瓶の蓋を調味料入れに利用するのです。
収まりも丁度いいし長さが可変なのが良い!
シンプルで美しい。。
WECKは調味料瓶のガラスと比べて青みがかっているのが気になりそうですが、実物はそんなに色味の違いがあるようには感じません。デザインも、蓋だとは気づかれない感じ。
一件落着だ!
”何やってるんだろ−自分” に打ち勝つために
高々調味料を載せるトレイを、ダイジェストにお伝えしただけでこの長さ。実際は色んなサンプルを買ったり貰ったりして試行錯誤していたのですが、そういう時には必ず”こんな細かいことにこだわってどうするんだ自分…”と呆れているもう一人の自分がいます。
全てをこだわりぬく必要はないと思いますが、俎上に載せたものに対しては結論を出していきたい。なのに、本当はもっと大きなことを考えないといけないのに、、という無意味な焦りばっかりが先行し、自己嫌悪に発展していきます。
開店したばかりのお店に伺って、調味料も食器も業務用(or100均)…なんていうのを見ると『もっとディテールを凝ればいいのに』と無責任に思いつつも、自分がその立場になるとどっしり構えるのが難しい。
『考えるべきもっと大きなことって、何ですか?』と冷静に聞かれれば、”色々順調に考えている訳だし、何も焦る必要はない”と思う自分もいるのですが、ものすごいストレス下において、数百円の小物の選定は、ある程度気合がないと難しい。
”こんなしょうもない小物にこだわって…こんなんだから、夢見る夢子ちゃんの脱サラ自己実現系ゆるふわ飲食店だと思われるんだ”…とか、意味もなく消沈する自分。
どう思われたっていいのにね。大切なのは自分の誠意を貫き通すことであって、他者からの評価ではないのに…(もちろん客商売なので塩梅次第ですが)。
起業にはある程度狂気じみた熱意が必要だと言われますが、世の中の皆様は一体どうやって、この俯瞰的に自分を見るもう一人の自分と折り合いをつけているのだろう。
私の場合は”あつらえ”を通して誰もが受け入れられる場所を作るんだという熱意は純度100%で、どこまでも熱くなれるのですが、こと起業(飲食店開業)となると、無数の煩雑な問題が降り掛かってくる。調味料トレイもその一例。そういう時に俯瞰的に自分を見るもうひとりの自分が出てきて、自分の滑稽さを笑っているのです。
飲食店開業にかかわらず、巷の起業ブームにおいてディテールが甘い物が見受けられるのは、”何やってるんだろ−自分”の自己嫌悪に勝てなかったからなのかなあ…と思いを馳せたりもします。
今はこんな未熟な自分ですが、また何かの折に成長出来ればそれも書き留めたいです。
あんまり実のある話でなくてすみません。
ご覧いただきありがとうございました。いつか、お会いしましょう。
http://miraishokudo.com/