じじ✕灯台もと暮らしイベント、”『灯台もと暮らし』のつくり方 ” のケータリングを担当しました
こんにちは。
このブログは『あなたの"ふつう"をあつらえる』未来食堂が開店するまでの日記です。
先日、じじ✕灯台もと暮らしイベント、”『灯台もと暮らし』のつくり方 ” のケータリングを担当しました。
今日は、簡単にこのケータリングについて報告したいと思います。
じじ✕灯台もと暮らし
「JiJi Around the Table」は、じじと関わってくださった方々と食事やお酒を囲んでお話する交流会です。vol.4となる今回は、先日開催した「ローカルメディアのつくり方」でご一緒させて頂いた「灯台もと暮らし」編集部の方々をゲストに、メディア制作と運営の裏側を知ったりや読者同士の交流の場となればいいなと考えています。
メディア運営している方、メディアづくりに興味がある方、ウワサの“もとくら”について根掘り葉掘り聞いてみたい!という方、ぜひご参加ください!
イベント「『灯台もと暮らし』のつくり方」を開催します! | 隠居系男子
じじ神保町とは
神保町のあたらしい時事(じじ)をお届けするフリーマガジン<じじ神保町>
神保町のヒト、モノ、キオク、デキゴト、ミライという視点から、この町周辺のあたらしい時事(じじ)をお届けするローカル・フリーマガジンです。
“再び見つける。街を体の一部に。”
https://www.facebook.com/jijijimbocho
”神保町で定食屋を出すんだ!”と決めた時から、親しく感じている”じじ”さん
灯台もと暮らしとは
灯台下暗し。それは、人は案外、身近なことに気付けないという例え。
足元に、すぐ近くに大切なことがあるのに、私たちはたまにそれを見過ごしてしまう。
そして忙しく生きるうちに、いつしか見落とした大切な何かを忘れたまま、進んできてしまったのかもしれない。
このメディアは、目まぐるしく変化するように見える今の世の中を頑張って生きるあなたが、もう一度暮らしを見つめ直すためのきっかけが載っているかもしれないメディアです。
灯台もと暮らしって? | 灯台もと暮らし
一人一人に焦点をあてて丁寧な記事を作るもと暮らしさん。自分もファンの一人です。
なぜケータリング?
『神保町でお店がしたい』と思った時に出会った、同じく神保町のソーシャルスペースEDITORYさんのイベントを主にケータリングしています。お店の宣伝になるのは勿論のこと、未来食堂は「お客様の希望を聞いて、そのお客様だけのおかずをあつらえる店」なので、それぞれにコンセプトが違うイベントのケータリングはとてもよい修行になります。詳しくはこちらを御覧ください。
灯台もと暮らしさん(以下もとくらさん)とは以前、イベントでケータリングさせて頂いた事もあり、今回の話が回ってきた時はひとり喜んだものです。
※コンセプト
今回は、もとくらがゲストのイベント。”もとくららしさ”のあるケータリングにしたい、と方向性も早々に決まりました。
記事を追いかける
でも、”もとくららしさ”って何だろう。自分なりの答えを見つけるために、もとくらの公開している記事、中でも地方の取材記事を全て読み、”もとくら”の空気をつかみとります。
暮らしている人の顔が見たいから【徳島県神山町】特集、始めます。 | 灯台もと暮らし
この島は未来の縮図たり得るか【島根県海士町】特集、始めます。 | 灯台もと暮らし
モノづくりの町【蔵前】特集、始めます。 | 灯台もと暮らし
帰りたくなる町に暮らそう。【西荻窪】特集はじめます。 | 灯台もと暮らし
これがかなり大変。一つ一つの記事が長くてボリュームが半端ないのです。振り返ると今回のケータリングで苦労した事No2を早くもこの時点で迎えていました。
”もとくらが取材した各地”から食材を取り寄せる
延々記事を読んでいる中(20分読んで5分休憩を4セット繰り返す)、出会ったこの記事にこれだ!とひらめくものがありました。
そうです。”もとくらが取材した各地”から食材を取り寄せるのです。こんなに思いをきちんと吸い上げているもとくらさんの記事を読んで、そのモノを味わう。。いい感じです。早速相談してみます。
ケータリングは全体の予算が限られています。限られた予算内でどこまで皆さんから食材を届けてもらうか。振り返るとこれが一番難しかったことでした。
場所の選定
更に引き続き記事を読み込み、対象となる場所をピックアップします。
佐野さん(もとくら編集長)も良いアイデアを出してくれました。
確かに、もとくらが取材している海士町は、特集記事もたくさんあり、一大コンテンツです。
ただ海士町の塩を買うだけではなくて、もとくらに縁のあるところから取り寄せるのが今回のミッション。更に記事を読み込み、塩(物販)に繋がりそうな人を探します。
一件一件予算をデッサンし、関係者に繋いで頂きます。
場所の決定
決まったのはこの4箇所。
1.【神山町】から植田さんのお米
http://motokurashi.com/tokushima-ueda/20150101
2.【千葉】の熱田農園から野菜
http://motokurashi.com/chiba-nininsankyaku/20150602
3.【蔵前】からデイリーズ・マフィン
http://motokurashi.com/kuramae-dailysmuffin/20150530
4,【海士町】から塩
http://motokurashi.com/shimane-amacho/20150410
いい感じです!ここから一件一件、交渉を開始します。
一番難しかったこと
予算内で食材を手配する。これが振り返ると、今回一番難しかったことでした。
ケータリングなので、予算は限られています。
でも、絶対にこの4箇所から取り寄せたいのです。交渉は絶対成功させたい。
こだわりのある方々なので、値段も安くはないはずです。
でも、会の趣旨や、何よりも私の熱意を伝えることで”このケータリングを応援したい”と思ってもらえるかもしれない。そうなると、多少は値段に融通がきくかもしれない。。
そんな思いを一縷の望みとして、ただお願いするだけではなくて、”なぜ”お願いしているのか、自分は”何”に惹かれたのかをきちんと伝えようと座を正しました。
『食材を手配してもらえた』が100点の成果だとしたら、120点、130点の成果を出さないとこのケータリングは実現できません。そして、交渉にやり直しはないのです。
交渉
それぞれに、今回の趣旨とお願いをお話します。
野菜
野菜は熱田農園の熱田さん。
快諾とともに、なんと味噌やお酒も譲って頂けることに。。
塩
塩は海士町”巡の環”さんから。
巡の環スタッフの角さんから、”とっても素敵な企画にお声がけいただきありがとうございます!”といううれしいお言葉を頂くとともに、特別価格で塩を送ってもらえることに。
お手紙付き。
マフィン
マフィンは蔵前。都内なので直接伺います。
江戸通り。名前がいい。
お店でおいしいマフィンを頂き、今回のお願いをお話します。
結果、ケータリングに合わせた特別マフィンを作って頂けることに。更に「神保町は近くだし、せっかくだから焼きたてマフィンを持っていきます」というお返事まで頂きました。
皆大喜び。
各地へのお願いを振り返ると、150点位の結果を出せたと感じます。本当に良かった。
ですがこれは、自分が何をしたからという話ではなく、”もとくら”をよく思っている皆さんの好意あってのこと。この好意を無駄にしないためにも、真摯に料理をしよう、、と決意を新たにしました。
食材もめどが付き、いよいよここからケータリングに落とし込みます!
記事展示
せっかく”もとくらの記事”の食材を取り寄せたのだから、その記事も展示したい。。
相談したのはnicoiconの倉又さん。未来食堂のロゴの生みの親でもあり、ケータリングでも度々力を貸してもらっています。
(前回のもとくらイベントで”ことりっぷ駅弁”のデザインもしてくれました)
今回も”もとくららしさ”のある展示方法を考えてくれました。
テスト出力を見て、もとくらの人たちもノリノリ。ウェブコンテンツでありながらも紙にシンパシーを感じているもとくらさんたちのハートをグッと掴んだようです。
(紙の話になると盛り上がる皆さん)
テーブルデザイン
”各地から届けてもらっている”事がつたわるように、テーブル一面に日本地図のイラストを。書いてくれているのはPOP書きの達人、杉井さん(未来食堂のPOPも描いてもらえる予定)
”灯台もと暮らし”のアイコンが!
クーピーでの色塗りは私が担当(別名:アシスタント)。
巨大な紙にイラストを書くのは、やっぱり大変そうでした。
がんばれ杉井さん!
日が暮れてようやく完成。
食材が集結している!
当日
テーブル一面に地図のテーブルクロス。
未来食堂で使う予定のお弁当容器に詰めて一面にディスプレイ。
https://twitter.com/mirai1975/status/620265567950213120
竹皮柄のレトロな弁当容器がいい味出しています。
倉又さんがサプライズで持ってきた”もとくらが今までとった写真のパネル”。
こんなに色々、すごい!
貼るとこんな感じ。
(結局この展示物は、もとくらの人たちがとっても気に入ってくれ、持って帰ってくれたのでした。きっとオフィスに飾ってくれるだろうと期待しています)
”もとの暮らし”がイメージされる、家庭でもよく見るような菜箸を添えて。
実はこの菜箸、割り箸の持ち手にマステを巻いたもの。
もとくらが青ベースなので、全体的に青〜緑でデザインしました。
少し味付けを濃い目にして、”ごはんにあうおかず”に。
ミニ丼に好きな物をよそってもらうバイキング方式。
塩も、料理に使って残った分を展示。
ご飯にかけたりして楽しんでくれました。
ご飯が余ったのでおにぎりにしてつまみやすく。持ってきた紙袋に入れておみやげに変身。
焼きたてのマフィンも大好評。皆が喜んでいる姿に古屋さんも嬉しそうにされていました。良かった。
”焼きたて”が伝わるように、焼きバットに入れたまま持ってきて頂きました。私個人も、普段製菓機器は目にしないので新鮮で楽しかったです。
こちらは当日のレポ記事。ケータリングのこともたくさん言及して頂きました。
アイキャッチ画像におにぎりを使って頂き、恐縮です。
色んな方から美味しいと感想を頂けました。
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今回のケータリングではあえて、メイン(目を引くおかず)を作りませんでした。普通の地味な惣菜を並べただけです。そうすることでごはんと野菜が引き立ちますし、足元の小さなものを拾い上げるもとくららしさにも繋がります。
とは言うものの、華がないというのは最後まで心配でした。
が、記事の展示やテーブル一面の地図イラストのお陰で、きちんといい空間になったと思います。
シャーマンのような
色んな人から”美味しい”とコメント頂きましたが、しかし私は、特に何もしてない、、ようにも感じます。
普通に野菜を切って、普通に茹でて、普通にご飯を炊いただけです。
でもそんな一つ一つが美味しかったのはきっと、「作り手の思い」がきちんと届けられたからだと思います。
私は単に届けただけで、喩えるならばシャーマンのような役割でした。
個人的には料理人であればどんな素材でも美味しく料理出来るべきという思いがあるので、産地や栽培方法にコダワリのある食材を使うことはありません。料理人は料理人であって小売人ではないのです。産地でアピールするのではなく、きちんと美味しさでアピールするべきだと考えます。
そんな自分が、しかし”産地”にこだわって料理が出来たのは、とてもいい体験でした。そしてそんな自分だからこそ、シャーマンのようにただの媒体となって、産地の思いを届けられたのかなと思います。
食材に刃を入れるたびに、どんどん自分がちっぽけになっていくような、そんな気持ちがしました。
そして更に言うならば、美味しさの理由は”このイベントのためにあつらえたもの”だと、皆様にきちんと感じてもらえたからだと思います。自分のために作られたものは、たとえ華美ではなくても、”美味しい”。そして、未来食堂の作る”あつらえ”は、そういうものです。
最後になりましたが、今回のイベントを支えてくださった皆様、足を運んでくれた皆様、なかでも、食材を届けてくださった皆様に、心から感謝いたします。
そして、こんなに長い記事を見てくださった貴方にも!
”あつらえ”を巡る旅はまだまだ続きます。
ご覧いただきありがとうございました。いつか、お会いしましょう。
http://miraishokudo.com/
P.S.
今回の記事のでは、参加者の宮崎さん(JIBURi.com)や、もとくらのカメラマン”タクロコマ”さん(小松崎 拓郎 | Facebook)から頂いた写真をたくさん使用させて頂いています。本当にありがとうございます。