『50分お手伝いで1食サービス』のカラクリ
こんにちは。
このブログは『あなたの"ふつう"をあつらえる』未来食堂が開店するまでの日記です。
(私個人の経歴やこのブログについてはこちら)
先日、『50分お手伝いで1食サービス』という取り組みについてちらっとお話しましたが、
今日はこの”本当のまかない”について、思うことをお話したいと思います。
一体何?
読んでそのまま、50分お手伝いで一食サービスするという仕組みです。
HPにも、まかないについての詳細を書きました。
http://miraishokudo.com/makanai/info.html
主にランチピーク、閉店作業のお手伝いを想定しています。
ふらっと来てその場で50分働く、というのは現実的に難しいですが
(店側にとって人助けが欲しい時間帯とそうでない時間帯があるため)
Googleカレンダーなどでまかない空き枠を表示することで、
手伝う側も手伝いやすくなるよう配慮しています。
何のために?
ありそうでない『50分お手伝いで1食サービス』。
これにはいくつか思いがあります。
お店のコンセプトに合っている
未来食堂は「誰もが受け入れられ、誰もがふさわしい場所」を目標としています。
”あつらえ”(おかずのオーダーメイド)は、その目標を実現する手段のひとつです。
食の好みは人それぞれ異なります。
例えば一般的には受け入れられていないような、おかずにマヨネーズ山盛けが好きな人がいたとします。
未来食堂はそんな人に、”それでもいいじゃない”、そう言いたいのです。
未来食堂は”あつらえ”を通して多様な食の個性を、多様性を持ったまま尊重します。
色んな人がいて、でも皆楽しそうに食べている光景って良いと思いませんか。
「誰もを受け入れる」
そう考えた時、一番むずかしいのが、お金がない人です。
いやいや、ビジネスなんだからお金がない人のことまで考える必要なんてないでしょ‥と諭されれば返す言葉もありません。
でもね、世界中の人のことをイメージは出来ないにせよ、
一度でもお店に来てくれたお客さんが、”お腹減ったなあ…手持ちの金も尽きた”って状況になったとしたら、どうですか。
何か分かんないけど取りあえずこっち来てご飯食べい!と言いたくなりませんか。
自分はもともと、道を歩いている時、道を迷ってそうな人に自分から声をかけるおせっかいタイプの人間です。
道に迷っているのはだいたい外国人で、英語もよく分からない自分だけどiPhoneでGoogleマップ見ながらだと何とかなるし、説明しづらい場所なら一緒に歩いて連れて行けばいいので、意外と何とかなります。(週に2,3回は声をかけている)
そんな性格なので、単純に我慢できないんです。
「お腹減ったなあ、、もう誰も自分のことなんて気にしてくれないんだ」みたいな人がいると放ってはおけないのです。
そんなケース、そうそうはないと思いますが、でもそんなセーフティーネットがあるというだけで心強く感じませんか?
未来食堂に行けばなんとかなる。
なにがどう何とかなるのかよく分からないけれど、不思議な安心感があります。
お金がない人全てを受け入れることは難しいですが、この”まかない”を通じて、ほんの少しだけでも枠を広げられると思っています。
「お客様」ではなく一歩進んだ関わり方の提案
飲食店には、「働いてる人(従業員)」と「お客様」が存在します。
これは従来の常識的なあり方ですが、私はこの間に第三の層がいると思うのです。
例えば株主制度は、「働く人」ではないけれども「会社に指図する人」として株主が存在します。
「働いてる人(従業員)」と「お客様」の間に別の層があります。
なんかそういうのって良いと思うんです。
この”まかない”をする人は、お金がないから、ということもあるでしょう。
でも多分それ以上に未来食堂のことが好きだからというケースが一定数いると思っています。
この層になんと名前をつければいいか分かりません。
例えばディズニーランドがアルバイトを”キャスト”と呼んで、その特別性を表したように、何かいい単語があるかも知れません。
未来の飲食店の働き方
現代社会は、多様性を認める社会です。例えば働き方も多様になってきました。
そう考えると、飲食店という古い業界でも新しい働き方があるのではないかと思うのです。
自分は新卒からずっと、IT業界に身をおいていました。
IT業界は、PCさえあれば仕事ができるので、例えばリモート勤務も出来ます。
最近ではクラウドソーシングという形も出てきました。
クラウドソーシングは狭義では不特定多数の人に業務を委託するという新しい雇用形態を指す
クラウドソーシング - Wikipedia
そんな場所で働いていた自分から見ると、
まだまだ飲食店は旧態依然とした仕事の仕方や雇用形態だなと感じます。
この”まかない”は、そんな視点から出てきた新しい働き方です。
ビジネス的にどうなの?
都内の飲食店アルバイト時給は約1000円。
そう考えると、一食提供で約1時間働いてくれるのは、店側にとってもメリットがあります。
問題は、全く経験のない働き手を上手く活用できるかという点。
しかしそれは、例えばマニュアル整備や作業の切り分けなど、店側で対処すべきタスクです。
上手く行けば、非常に低コストで、必要な時間分だけ、労力を得ることが出来ます。
人間マニュアルがあれば結構複雑なことでもやれるもんだというのは、サイゼリヤで修行している時に感じたことでもあります。
サイゼリヤは労働効率を最大限に突き詰めているため、働き初めの人間がいかにすぐ戦力になるかも徹底しています。
そんな経験を元に、分かりやすいオペレーションを組み上げたいと思っています。
少し長くなりました。
これ以上は、又の機会に致します。
このまかない第一番目は、一体どんな人なんでしょうね。
ご覧いただきありがとうございました。いつか、お会いしましょう。
http://miraishokudo.com/