未来食堂日記(飲食店開業日記)

あなたの”ふつう”をあつらえる、未来食堂が開店するまで

2015年秋開店予定。神保町が第一候補。
本当に神保町徒歩3分の物件が見つかりました。
千代田区一ツ橋2−6−2 日本教育会館様B1。小さな定食屋です。

料理人が教える、包丁の選び方(牛刀/三徳包丁)

こんにちは。
このブログは『あなたの"ふつう"を誂える』未来食堂が開店するまでの日記です。

 
このブログに来られている方の動きを追っていると、
『キャベツ 千切り』
『牛刀 サイズ』 
がかなり高い検索キーワードとなっています。

このブログはキャベツの千切りブログではないのですが、原因はこちらの記事↓

以前働いていた老舗仕出屋でキャベツの千切りがなってないと説教され、
その修業に励んだという内容です。
ですので、技法や包丁自体の紹介はあまりしていませんでした。

でもせっかく来てくださっている方々もいるのですから今日は
包丁の選び方実際現場で使われているもの自分なりの所感についてお話してみます。
一問一答形式で書いていきますね。

 

包丁とは

台所で使う、食材を切る用具です

 

なぜ包丁選びで迷うのか

ズバリ、包丁には種類もメーカーもたくさんあるためです

 

家庭の最初の一本は何がベスト?

結論を先に書きますが刃渡り18〜21センチの牛刀、銘は藤次郎で間違いないです。

藤次郎作DPコバルト合金鋼割込(口金付)牛刀210mm F-808

 

なぜ牛刀?そもそも包丁の種類は何があるの?

包丁の種類は和包丁洋包丁、多数あります。
が、家庭用包丁は『牛刀』『三徳包丁』の2パターンが存在します。
こちらが三徳包丁。先ほどと比べて刃先が丸っこくなっているのが分かります。

牛刀…刃先が鋭いもの
三徳包丁…刃先が丸いもの
と大きく捉えてくれれば大丈夫です。
 

種類は分かった。でもなぜ牛刀がいいの?

調理では、刃先を多用することが多いからです。
例えば肉の筋を切ったり食材のビニール袋をサッと切り開けたり。
三徳包丁は家庭用として生まれたため、刃渡りが短いというのもおすすめできないポイントです。

三徳包丁は牛刀と比べると、刃がデブッチョです(刃に高さがある)。牛刀は細長くスマートです。
刃に高さがあると、包丁が食材に入って行く時に刃がぶれないという利点はあります。
高さのあるものを切る時に便利なわけですね。ただ、高さのある食材は幅もあります
幅があると、刃渡りが長いほうが有利です。
ですので、刃に高さがあるという理が三徳にあっても牛刀のほうがお勧めできます。

 

なぜ 幅があると、刃渡りが長いほうが有利なの?

例えばこんな大きな肉ブロックを切るとします。

この時、ブロックよりも刃先が短い包丁で切ると、包丁を押して切った後
引く時に刃が食材の中に埋もれているので包丁を引くことが出来ません。
毎日このサイズのブロックを切る現場では、刃渡り24〜30センチの包丁で切っています。

 

刃渡りは長い方がいいんだ?!

一概にそうとも言えません。手のサイズとまな板のサイズによって変わります。
まな板のサイズとは台所のサイズのこと。
まな板を置くのがやっと、というご家庭ではペティナイフのような小型包丁を使っているケースもありました。

 

じゃあなんで刃渡りは長い方がいいの?

さきほどの、切る食材の大きさによります。長いほうが精巧に切れるということはありません
あくまで食材に寄る所ですので、長いほうがプロということもありません。
自分は千切り用に24センチの大きい牛刀を買ったのですが、これもキャベツを小分けにして千切りするのであれば必要ないサイズです。

 

手入れして大切に使っていきたいなあ

それであれば手頃と感じる刃渡りより数センチ長いものがお勧めです。
最初は大きいと感じても慣れてきますし、大は小を兼ねます(極小は無理ですが)。
砥石で研ぎ続けると、刃がどんどん削れてミニサイズになっていきます。
なので大きめでも良いかもしれません(ただしミニサイズになるのは数年単位の話です)

 

なんで藤次郎がいいの?

刃が丈夫で安くて切れ味がいいからです。

 

なんで刃が丈夫なのがいいの?

刃こぼれしにくいからです。例えば鶏肉を切っている時に骨があったとして、
無理に骨を切ったりすると刃先に穴が開きます。これが刃こぼれです。

刃が丈夫なのがいいんだ?!

ここらへんは奥深い世界なので言及しません。
硬くて繊細なもの(すぐに刃こぼれする)が良いケースもあります。
柔らかいほうが砥石で研ぎやすいです。
包丁は「硬さ」と「しなり」のバランスを取る必要があり、この辺りは用途に応じて好みに応じて、といった具合です。

 

にしてもなんで藤次郎?

色んな現場でよく会うからですかね。
そして目立つ刃こぼれが殆ど無いからです。
(大体の包丁はマメにメンテナンスされていないし、メンテナンスするほど包丁を扱う人は愛用包丁を職場に持っています)
実際に飲食厨房は藤次郎を使っているケースが多いです。
あとグローバル。

少々乱暴に扱っても刃先がダメになりにくい。これがポイントかなと思います。
使っていても刃が薄くないので安心感があります。

じゃあ藤次郎つかってるんだ?

ぎくり。実は私が普段使っているのはこちらです。

関虎徹 V金10号 鍔付 三徳包丁 180mm YG300

 

なんでよ?!

えっと、関虎徹は恐ろしく切れ味が良いからです。
あと軽い。女性なのであまり重いものを長時間持てないこともあります。
あと、家庭では大きな食材を切らないため18センチで取り回しが効くためです。

 

三徳包丁やん?!

画像を見てください。切っ先が尖っています。
このように三徳包丁と名乗っていても実際は様々です。
「切っ先が鋭いか」を目安に買い物してもいいと思います。

 

なら関虎徹をお勧めしたらいいやん?!

この包丁は刃が薄めで、すこし刃こぼれが心配です。
(研ぎ方で変えられますが最初の一本には難しいかなと)。
大量に切り込む厨房では結構ヒヤヒヤします。
使った感触で、藤次郎はマメに研がなくてもそこそこ切れ味が持続するのに対し
関虎徹は最初の切れ味を持続させたいならある程度マメに研ぐ必要がある
といったところでしょうか。
刃を薄めに付けた(研いだ)自分が悪いのですが。
厨房に持って行くことも考え少し厚めに研ぎ変えようと計画中です。余談でした。

 

研いだほうがいいんだ?

ここらへんも長い話ですが、結論として藤次郎や関虎徹のようなステンレスで硬い包丁は、
『刃の黒幕』シリーズの硬い砥石で研ぐのがお勧めです。

シャプトン 刃の黒幕 オレンジ 中砥 #1000

 

これ使ってるの?

ぎくり。私が使っているのは木屋の#400です。
http://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/pancup/cabinet/hamono/img57002371.jpg
【楽天市場】日本橋【木屋】・中砥石(といし)・台付G.C木屋特選粒度400番:パンカップ楽天市場店

 

またかい!

スミマセン。木屋さんには研ぎのことでお世話になっていることもあり…
木屋#400も硬くてすぐに刃がつきます。お勧めですが少し高いんです。
刃の黒幕シリーズは安くて定評があるので。
わたしも木屋#400使いきったら黒幕に移行したいと思っています。

  

なるほどね。ついでにキャベツの千切りも教えて。

ずいぶん長くなってきました。それは次回にいたしましょう。


※研ぎ方の記事も書きました。
ご参考に慣れば幸いです。


ご覧いただきありがとうございました。いつか、お会いしましょう。
http://miraishokudo.com/

(2015年7月、神保町徒歩3分日本教育会館様B1でOPEN予定)
(包丁の記事見たよ!と言ってくれたら喜びます)