飲食のバイトは辛いよ(プライド編)
先日は、飲食のバイトは辛いという記事を書いていましたが、内容は作業に焦点を絞ったものでした。
飲食は日々の繰り返しも多く、サービス産業なので労働時間あたりの売上も高くはなく、そういった面で労働は辛くなりがちだという話。
しかし、辛さにはもうひとつの側面があります。プライドです。
明るい話ではないので書くべきか悩んだのですが、
日々の記録ということで短く書きとどめておこうと思います。
個人的な話にはなりますが、自分自身は大手企業や有名企業に勤める、バリバリのキャリアウーマンでした。丸ビルのオフィスでスタバ片手にノートパソコンをいじっていたり、毎週のように出張していたり。会社名を言えば誰もが憧れる会社。「やっぱりルブタンよりもロッシの方が足に合う〜」なんて言って靴はほとんどピンヒール、週末は新丸ビルのレストランフロアで「たまにはストレス発散しないとねー」と女子会を開いていたり。上を見れば勿論キリはないのですが、都会ど真ん中のキャリアウーマンでした。学歴もね…あるわけです。
そんな自分がパート…、と最初のうちは違和感がなかったとは言えません。自分が決めた道とはいえ馴染むには時間もかかります。油まみれの床を磨くのでスニーカーを履いて、すぐに洗える服を着て出かけます。
女性では稼ぐ方の年収だったのに、時給850円‥。一日10時間働いたとしても8500円。そして勿論役職なんてない、下の下のパートなわけです。昼時に、"ランチ外出中”な感じの、首からIDカードを下げているグループに出会うと肩身狭く感じてしまったり。
(これは共感する人は少ないかもしれませんが)自分は結婚してからもずっと旧姓で仕事をしていて、転職しても当然のように旧姓で働いていたので、パートを始めた時に「本名以外の使用は不可」と言われた時は一際ショックでした。それまではあまり意識していなかった新姓で呼ばれるようになり、自分のアイデンティティは別に必要とされていないんだな、と感じてしまったり。
某飲食チェーンで働いていた時、友達に「○○で働いてるんだ」という話をしたらどうも話が噛み合わない。
しばらく話していると、どうも私が商品企画みたいな所で働いていると思っていたらしい。「えっ!? パートなの?」と言われた時は結構グサッときました。
店を持てばそんなプライドの軋轢からは解放されるかもしれませんが、自尊心を満たすために未来食堂を作るわけではないので、そこは強く自戒しているところです。「この世の中には必ず ”未来食堂” みたいな場所が必要で、まだない。だから私が作るんだ」という思いが全てで、自分の小さな問題を解決するために本質を見誤っては本末転倒です。
なんだかんだ言いましたが飲食の経験値が足りていないのは事実なのだから真摯に受け止めて前に進まなければなあ、という話です。とくに実りがない話ですみません。
ご覧いただきありがとうございました。いつか、お会いしましょう。
(それにしても、去年仕立てた総カシミアのロングガウンコートを着る日は来るのだろうか…)